中国、旧暦の七夕を前に婚姻届が殺到 江蘇省ではサッカーの試合会場に受付所を設置

2025/08/18 10:20

例年、旧暦の七夕の日が入籍のピークとなる中国は、今年もその当日である8月29日の10日以上も前から各地で入籍の受付予約がほぼ「満杯状態」となり、「七夕婚」への根強いこだわりを見せている。

浙江省杭州では入籍を「オンライン予約制」としており、2日~30日前にアプリ「浙里弁」で予約をすることができる。市の中心エリアでは7月29日の午前0時の受付開始直後に定員に達した。江蘇省常州市も8月14日の時点で、鐘楼区、天寧区、武進区、新北区などでオンラインの入籍予約受付が定員に達した。ただ現地の民政局によると、8月29日は平日なので通常通り入籍を受け付ており、予約できなかったカップルに対し先着順で対応するという。また徐州は、8月14日の時点で入籍予約の受付を終了したと発表している。

このように各地で七夕前の入籍ラッシュを迎えているが、多くの場所で七夕の当日も担当者を配置して受付対応するという。

中国民政省によると、今年は入籍件数が増加傾向とのことで、上半期の件数は前年同期を10.9万組上回る353.9万組となっている。「適切な年齢」での結婚の奨励や結婚・子育て支援体制の整備が功を奏しているという。

漢服姿で婚姻届を行ったカップルもいた。

中国は今年5月から、入籍に際し地域制限を廃止し、本籍地へ戻らず国内のどこでも手続きを行えるよう改めた「婚姻届条例」が実施されている。また戸籍証明の提出義務も廃止され、届け出が極めて便利になった。故郷を離れて生活している若者たちに十分に配慮したものである。

このように「全国一本化」されたことで、各都市や観光地で「婚姻届+観光」といった新たなモデルが導入されている。人気の観光地で「婚姻届スポット」が設けられたり、音楽祭の会場に婚姻届受付所が用意されたりするケースもあり、本格的なムードで入籍を迎えられるようにしている。江蘇省宜興市で8月16日に行われた省内サッカーリーグ第9節の無錫対徐州の一戦では、試合会場の外に婚姻届の受付所が設けられた。スポーツの大会をカップル誕生の場にするという新しい取り組みである。

8月16日七夕の日、江蘇省のあるサッカーの試合会場で結婚届臨時受付所を設置

また一方、各地で「祝い金」などを支給する動きも広まっている。山西省呂梁市は今年1月から、ともに初婚で地元で入籍し妻が満35歳以下である夫婦に対して1500元を支給している。浙江省も、条件を満たしたカップルに対して祝い金またはクーポン券を支給するとの規定が設けられた。同じく浙江省の紹興市上虞区や衢州市常山県、広東省の広州市白雲区竜帰南嶺村や東莞市横瀝鎮新四黄塘村などでも、「婚礼ギフト」や「クーポン券」の支給などが実行されている。

(中国経済新聞)