スイス・ジュネーブで5月10日から11日にかけて開催されたアメリカと中国の関税措置を巡る貿易協議が終了した。両国は互いに100%を超える高関税を課す異例の対立状態が続く中、今回の協議で「大きな進展」があったと発表。
と中国の何立峰副首相とアメリカのスコット・ベッセント財務長官はそれぞれ記者会見し、成果を強調した。詳細は12日朝に共同声明として発表される予定だ。
この協議は、トランプ政権が先月相互関税を発動して以降、両国高官による初の正式な対話であり、貿易摩擦の緩和に向けた第一歩として注目を集めている。
協議には、中国側から経済政策を統括する何立峰副首相が、アメリカ側からベッセント財務長官とジェイミソン・グリア通商代表部(USTR)代表が出席した。ジュネーブでの2日間にわたる非公開の会合では、両国が課す高関税の引き下げや貿易摩擦の解消に向けた具体的な方策が議論されたとみられる。トランプ政権下で中国に最大145%、中国側も米国製品に最大125%の報復関税を課すなど、貿易戦争が激化する中、今回の協議は経済への打撃を軽減する妥協点を探る重要な機会だった。
協議終了後、何立峰副首相は記者会見で「実質的な進展があり、重要な共通認識に達した」と述べ、両国が今後の経済貿易協議のためのメカニズム設立で合意したことを明らかにした。
何副首相は特に、「中国とアメリカは経済貿易協議のメカニズムを設立することで一致し、さらなる協議を進めることを明確にした」と強調。この発言は、今回の協議が単発の会合に留まらず、継続的な対話の枠組みを構築する第一歩となったことを示している。
中国国営新華社通信も、今回の会談を「問題解決に向けた重要な一歩」と評しつつ、最終的な解決には「忍耐と決意、国際社会の支援が必要」との論評を発表した。
ベッセント財務長官も記者団に対し、「大きな進展があった」と述べ、12日午前に詳細を公表する方針を示した。さらに、グリアUSTR代表は「非常に建設的な2日間だった」と振り返り、「合意に至るまでのスピードは、両国の考えの相違が予想よりも小さかったことを示している」と語り、一定の成果を達成したことを示唆した。
一方、トランプ大統領は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、「スイスで中国と非常に良い会合を行った。多くのことが議論され、合意された。友好的かつ建設的な雰囲気の中で完全なリセットについて交渉した」と投稿し、楽観的な見方を示した。ただし、具体的な合意内容については触れず、詳細は12日の共同声明に委ねられている。
(中国経済新聞)