ポップマート、去年は純利益が200億円超 「店は急には増やさない」とCEO

2024/03/31 19:30

中国のフィギュアメーカー「ポップマート」は2023年の決算報告を発表し、売上高は前年比36.5%増の63億元(約1322億円)、純利益は128.8%と急伸して10.89億元(約228億円)であった。粗利率も61.3%に至り、純利益率は18.9%で、在庫回転日数は133日に減った。この1年間は、国内需要の拡大や消費刺激策の実施、さらにはアートトイ市場が大きく成長したことで、急激な業績アップを果たした。

ポップマートは海外事業も拡大を続けている。2018年に海外進出を果たし、2023年には東アジアや東南アジアを中心に売上高を大きく伸ばした。店舗の数は東アジアでは43店、東南アジアは15店となり、特にタイでは増加が顕著だった。2024年はインドネシア、ベトナム、フィリピンなどにも進出する予定という。また西側諸国では、北米、ヨーロッパ、オーストラリアで計22店舗を構えている。

ただこのような海外での急成長について、CEOの王寧氏は「店舗数を急激に増やすつもりはなく、どの店も事業も健全な形で成長を続けられるように、抑えつつ拡大していきたい」と述べている。

この勢いを支える原動力はIP戦略である。キャラクター系IPとライセンスIPを両輪として収入を多様なものにしている。2023年は、キャラクター系IPの売上割合が76.5%増え、前年比では32.5%増の48.22億元(約1012億円)となり、ライセンスIPは売上が88.2%増の10.36億元(約217億円)であった。また、それぞれのIPに適した多様な展開の仕方を常に模索し、商品カテゴリー別にできる限りIPの力を掘り起こすことで、IP同士で競い合わないようにしている。

ポップマートはIPについて、単なる玩具とはせず、アートトイIPのテーマパークの開設や間もなく実施予定のゲーム事業、そして新品種の積み木という具合に、常に新たな分野を開拓している。こうした動きでポップマートのIPはダイナミックなものに変わり、ブランドイメージや楽しみ方にいろどりを持たせている。

(中国経済新聞)