中国国家統計局が1月12日に発表したデータを見ると、消費者物価指数(CPI)の伸び率について2022年12月は前年比1.8%、2022年1年間では同2.0%となっている。中国は昨年の政府活動報告で、2022年1年間のCPIの目標を3%前後に設定していた。
2022年のCPIについて、国家発展改革委員会価格局の万勁松(Wan Jingsong)局長は「単月での変動幅は終始3%以下で推移し、年間では2%だった。先進国であるアメリカが8%前後、ユーロ圏が8%以上、イギリスが9%前後といった数字に比べて大幅に低く、新興国のインド、ブラジル、南アフリカなどの7%-10%(1-11月)よりも低い」と説明した。
また2022年1年間の生産者物価指数(PPI)伸び率は、前年比4.1%であった。このうち12月は、石油や関連業界の値下がりを受けて前月の0.1%プラスから0.5%マイナスに転じ、前年比では2021年が低かった影響で11月より0.6ポイント縮まって0.7%減であった。
12月のPPIが予想以下であった理由について、民生銀行のチーフエコノミストである温彬(Wen Bin)氏は、「川上側と川下側の両方に起因する。川上側では大口商品が世界的に値下がりしたこと、川下側ではコロナ禍で需要が伸びなかったことが挙げられる。ただし全体的に見て、川下側より川上側の値下がり幅の方が大きく、中間から川下側の工業各社に利益が出やすくなっている」と指摘している。
また温氏は2023年のPPIについて、年初はデフレだが徐々に持ち直すと見ている。デフレを脱却する時期は内需の回復具合や不確定要素が存在する世界の商品価格に左右されるとし、年間の上昇幅は0.5%前後となると予想している。
(中国経済新聞)