不動産大手の中国恒大集団は8月4日、プロサッカーチーム「広州恒大」のスタジアム用地の使用権について定めた契約を3日に解除し、土地使用権を返還すると発表した。これにより合計55.2億元(約1103億円)が返金され、債務の返済に充てるという。
この理由はもちろん、恒大自身の資金繰り問題によるもので、用地の開発や整備が続けられなくなったためである。会社や投資側の利益を考えたほか、資金の流動を抑えて他の業務に力を入れていく方針である。
恒大についてはこれ以前にも、105億香港ドル(約1809億円)で本社ビルを同業の「越秀地産」に売却する計画も伝わっており、結局は価格面で折り合いがつかずに中止となった。そして7月末に、香港の実業家である李嘉誠氏一族による企業「長実集団」が、時価およそ90億香港ドル(約1549億円)で本社ビルを購入する計画が明らかになった。土地資産の処分を急ぐ恒大の姿が見えてくる。
恒大は、7月末に債務の再編計画を発表する予定だったが、延期されている。会社の規模や複雑性、および業界の現状から見て、今なお調査中であると見られ、近々まとめ上げた上で2022年内に方策を発表し、実行していくものと見られる。
メンバー作りやマネジメントについては、社内の各部署で新たな構成がまとまっており、本社は31の部門を10か所に削減し、2176人いる管理職を67.3%カットして712人とするほか、不動産系の各地域支社は計1706人の中間管理職以上の数を54.5%減らして776人とする。賃金体系を見直して大幅に削減し、マネジメントコストを抑える予定である。
(中国経済新聞)