7月29日、第一財経記者が上海市徐匯区の公安局捜査班に取材したところ、地元警察が先ごろ、人気商品であるアートトイの「Labubu」の模造品販売で1200万元(約2億4910万円)以上を売り上げていた犯罪グループを摘発し、商品5000点余を押収した。
公安局捜査班によると、2025年3月に消費者からメーカーに対し、オンラインで購入したLabubuが偽物だったとの通報があった。専門機関の鑑定の結果、この商品はメーカーから外注先へ委託生産したものではないことが分かった。外観や種類、商標や品名などが本物同然であり、販売元のオンラインショップによる不正行為とみられた。
情報を受けた警察は直ちに調査に乗り出し、オンラインショップを運営している汪容疑者が扇風機やオーディオ品、ゲーム機などの販売活動をする一方で、偽物のアートトイの製造や包装、販売を手掛けていたことを突き止めた。警察容疑者の行動や犯罪の証拠を十分につかんだ上で、捜査班を二手に分け、7月4日午前、汪容疑者の自宅と会社内で業務員である呉容疑者らも含め計8人を逮捕した。また会社の1階の倉庫で、偽の商標が貼付され、包装済みまたは包装前の商品5000点余りを発見した。

例、左:本物;右:偽物
犯罪グループは取り調べに対し容疑を認め、「2024年11月、Labubuが人気商品であったことに目をつけて一儲けしようと考え、購入した本物の商品をひな形として、製造元に無断で 1:1の偽物を製造し、中身と包装を別々で会社の倉庫に搬入し、ケースに入れてラベルを貼り、箱詰めした」と供述した。また、呉容疑者らが複数のSNSで広告を発表し、「本物が欲しい」という声があれば、汪容疑者が模造のバーコードを購入して手を加えてなどの行為をしていた。
汪容疑者は現在、模造品を販売した罪を問われて警察に拘留されているほか、呉容疑者など7人は刑事手続きを講じられている。上海の警察はまた、生産会社や他のオンライン販売店に対して追跡調査をしている。
警察は消費者に対し、これらのアートトイを購入する際は正規のルートを利用するように注意している。また商品に掲載されたQRコードをスキャンして本物であるかを確かめ、偽物と見られた場合は直ちに通報するよう呼びかけている。
なお製造元のポップマートは、一般の消費者が偽物を見破る方法について、
- 商品のバーコードをスキャンする。正規の商品であれば初めてのスキャンとなるので、過去に認証履歴が存在していれば模造品と見てほぼ間違いない。
- カラーケースにポップマートオリジナルの偽造防止ステッカーが貼ってある。
- 商品の下部に箔押しのLogoがある。
といった方法を挙げている。また、絞り染めの部分をじっくり見極めることでも判断できる。
(中国経済新聞)