中国の企業情報会社の天眼査によると、飲食業界は今年上半期に新たに134.7万社が登録され、一方で廃業や営業許可取り消しとなった企業数は105.6万社であった。新規登録数が閉店数を大きく上回っており、供給が増え続けていることが分かる。
ただ、廃業や営業取り消しの数は2023年1年分(135.9万社)に迫る勢いである。つまり、開店も非常に多いがこれに伴って閉店する数も随分と多くなっている。
飲食業界は以前から、比較的立ち上げがしやすい事業とされており、特にここ数年は茶飲料やカフェなどで新手の進出が目立ち、フランチャイズチェーンとの形で急速に拡大しており、他業種からの新規参入が相次いでいる。
北京では、2023年8月から2024年7月にかけ、飲食店の数が126707店から145269店となり、1年間で18562店増えている。
天眼査によると、現在営業中の飲食関連企業の数は1631万社で、うち設立から1年以内が255万社である。つまり全体の15.7%が開業1年以内ということである。
続々と開店する一方で閉店する店も出ているが、開店数が閉店数を上回る事業者の方が多い。ここ2年で成長著しい茶飲料関連でいうと、格安のティードリンクチェーン「蜜雪氷城(MIXUE)」は、最近90日間で241店を閉店したが、新規の開店数が2339店と圧倒的に多い。同じくティードリンクチェーンの「茶百道(ChaPanda)」は、業種内では多めとなる286店を閉店した一方で、594店をオープンさせており、正味308店増えている。
ところが、相次ぐ開店により競争も激化し、供給過多に陥るケースも目に見えており、経営が続かなくなる事業者も出ている。同じくティードリンクチェーンの「書亦焼仙草」は過去90日間で1605店を閉店しており、過剰問題や供給過多が浮き彫りになっている。「閉店は市場の変化に応じたもので、店の数の増加から店の改善へと切り替えて、個別の店にスポットを当てていく」と同社は説明している。
「数の増加」から「よい店へ」という動きにより、業界内では営業へのハードルが引き上がることになる。大雑把な経営をしたり無駄遣い金を稼いだり、商品と値段がそぐわなかったりする店は、先が望めなくなる。
関係者によると、供給過多が深刻になっている飲食業界は間違いなく再編の時期を迎えると見ている。店舗数があまりに多くて大半が3年以内に閉店するという分野も一部に存在するという。
(中国経済新聞)