中国で、コロナによる死者の数が少なすぎるとの指摘について、国家衛生健康委員会コロナ対策チームの専門家グループリーダーである梁万年氏は29日北京で、報道陣を前に、「公衆衛生という見方から、流行し急拡大している時期に死亡率や致死率を正確に判断するのは難しく、周期が過ぎてからでないと正しい判断はできない。現段階では重症化や死亡を防ぐことを優先すべきだ」と述べた。
「中国は『コロナ死』の定義を改めたのか」との問いについて、衛生健康委員会医政局の焦雅輝局長は、「世界では今、『コロナ死』について、一つは感染後にPCR陽性となり、コロナによる呼吸不全で死亡した人、もう一つは感染後28日以内に死亡した人のすべて、の2種類の判断基準がある。中国では2020年からこれまでずっと一つ目の基準を採用している」と述べている。
焦局長は、「これまで発表していた死者の数は、コロナ死もあれば感染後の基礎疾患による死者もある。中国は常に科学的な死亡判断基準を堅持している上、国際基準とも合わせている」と言う。
大規模なPCR検査を中止してから死者の数が過少になっていないか、との疑問について梁氏は、「流行し急拡大している時期に死亡率や致死率を正確に判断するのは難しい。命や健康面を中心に大衆に及ぼす危険性について、死亡は重要な判断基準となり、中国の専門家スタッフや政府はかねてから重視している」と述べている。
「現段階では重症化や死亡を防ぐことを優先すべきであり、これは感染対策における主な変更点であって、死亡を防ぐことは極めて優先的な位置に据えている」と梁氏は述べている。
また焦局長は、「重症の原因がどのような病原体であろうと、治療に全力を尽くし、重症化や死亡を防ぐよう病院に求める一方、仮に死者が出た場合、コロナによるものであれば法の定めに沿って公開し、PCR未検査であった場合は国の疾病センターの死亡理由システムに報告する」と述べている。
(中国経済新聞)