中国、EVの火災発生件数が32%増加

2022/09/4 18:45

中国では、新エネ車における電池や運転補助システムの安全性に大きな懸念が寄せられている。

緊急管理省のデータによると、2022年第一四半期は新エネ車(EV)の発火事故が去年より32%も増え、平均すると1日に7台以上が炎上している。2021年の易車研究院によるアンケートでは、回答者のうち92%以上が自動運転について心配感を抱いている。

新エネ車は技術的にガソリン車とは異なっているので、衝突時の安全性について新たな基準が設けられている。

「哪吒汽車」で性能および安全面の開発を手掛ける部門のリーダーは、「EVは電池を搭載しているのでガソリン車に比べておおむね重量がかさみ、衝突時のエネルギーも同クラスのガソリン車より大きくなる。よって荷重の伝達について極めて入念にデザインする必要がある。また電池については、モジュールの受け入れ負荷を上限以内に抑えなくてはいけない。これは安全面におけるガソリン車との大きな違いである」と述べている。

しかし、基本となる衝突安全性をおろそかにしているメーカーもある。先ごろ、ある新興メーカーの車が事故を起こした際、Aピラー(フロントガラス側面)が折れ、エアバッグが未作動であった。また販売好調のあるEVで一部のタイプにエアバッグが装備されず、さらに早期にヨーロッパへ進出していながらE-NCAPの衝突テストで3つ星評価にとどまっている新エネ車メーカーもある。

ヨーロッパに駐在する中国メーカーの販売会社のリーダーは、「ヨーロッパでは新エネ車を購入する際、衝突テストを重要視する傾向が今でも強く、E-NCAPで5つ星を得ていなければ売上もまず伸びない」と述べている。

(中国経済新聞)