中核集団が初の天然ウラン生産に成功、内蒙古で「国ウラン一号」プロジェクト

2025/07/14 12:30

7月12日、中国核工業集団(中核集団)は、内蒙古自治区オルドス市に位置する「国ウラン一号」実証プロジェクトにおいて、初の天然ウラン製品の生産に成功したと発表した。この成果は、中国の天然ウラン生産における画期的な進展であり、エネルギー資源の安全保障と自主性を強力に支えるものとなる。

「国ウラン一号」実証プロジェクトは、中国国内で最大の生産能力を誇り、最高水準の建設基準と最先端の技術を備えた天然ウラン生産基地である。2024年7月12日に着工し、わずか1年で初のウラン製品を生産するに至った。この迅速な建設ペースは、国内の天然ウラン生産プロジェクトにおける「新記録」を樹立した。

天然ウランは、核燃料サイクルの前端に位置する戦略的資源であり、核産業の発展に不可欠な基盤である。「国ウラン一号」は、中国核地質鉱業70年の歴史の中で最大規模の天然ウラン生産プロジェクトとして、グリーンで安全、かつ知的で効率的なウラン資源開発の新時代を切り開いた。プロジェクトの完成後は、国家のエネルギー安全保障と核産業の発展を支える強固な資源基盤を提供し、中国の天然ウラン産業の国際競争力を大幅に向上させる見込みだ。

中核集団傘下の中国ウラン業股份有限公司の袁旭党委書記兼董事長は、「『国ウラン一号』は、中国の第三世代ウラン採掘技術体系の実践成果であり、グリーン環境保護、リモート管理、知的分析、高品質かつ高効率を核とする現代的なウラン鉱山の生産要素を構築した」と述べた。このプロジェクトは、採掘プロセスのデジタル化とインテリジェント化を推進し、ウラン採掘の予測可能性と制御性を大幅に向上させた。これにより、新世代のスマート鉱山のモデルケースが確立された。

従来、中国のウラン鉱山開発は主に南部の火山岩型や花崗岩型ウラン鉱に集中していたが、過去20年間で北部の砂岩型ウラン鉱の探査が大きな進展を遂げた。2023年には、中国が発表した10大ウラン鉱探査成果により、280万トンを超えるウラン資源が予測され、その大半が北部砂岩型ウラン鉱に集中している。特にオルドス盆地は、中国最大のウラン資源基地として浮上している。

この北部へのシフトは、「中国ウラン都」の南から北への大規模な移動を象徴している。現在、中国は稼働中および建設中の原子力発電所の総規模で世界一を誇る。「国ウラン一号」で確立された技術は、松遼盆地、二連盆地、オルドス盆地、イリ盆地など、中国北部諸盆地のウラン資源開発に全面的に適用・拡大される予定だ。これにより、新たな大型ウラン鉱山基地が次々と建設され、原子力発電の急増するウラン需要を確実に支える。

袁旭氏は、「『国ウラン一号』は単なるプロジェクトではなく、中国のウラン産業の未来を切り開くマイルストーンだ。持続可能な開発と技術革新を通じて、国家のエネルギー戦略に貢献する」と強調した。

今回の成功は、中国の核産業がグリーンでスマートな方向へ進化していることを世界に示した。国際社会では、クリーンエネルギーへの転換が加速する中、天然ウランの安定供給はますます重要になっている。「国ウラン一号」の技術と生産能力は、中国がグローバルなウラン市場で主導的地位を確立する一歩となる。

(中国経済新聞)