ノーベル賞受賞者の屠呦呦氏、米国科学アカデミー外国人会員に選出

2025/05/1 23:22

中国の著名な科学者であり、ノーベル生理学・医学賞を受賞した屠呦呦(ト・ヨウヨウ)氏が、アメリカ国家科学アカデミー(NAS)の外国人会員に選出された。4月29日、NASは2025年の新たな会員リストを発表し、その中には120名の正会員と30名の外国人会員が含まれている。94歳となる屠呦呦氏は、今回のリストにおいて唯一の中国からの新任外国人会員である。

屠呦呦氏は1930年12月30日、浙江省寧波市に生まれた。現在は中国中医科学院中薬研究所に所属し、青蒿素研究センターの主任、中国中医科学院の終身研究員かつ首席研究員として活動している。彼女の最大の功績は、抗マラリア薬として画期的な効果を示す「青蒿素(アルテミシニン)」を発見し、従来の治療法が効かなくなっていたマラリア治療の突破口を開いたことである。

この偉業により、屠呦呦氏は2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞し、中国の伝統医学と現代科学の融合を象徴する存在として世界的に注目された。

米国国家科学アカデミーは、科学・工学の分野で顕著な貢献を果たした研究者を会員として選出しており、屠呦呦氏の選出は、彼女の長年にわたる革新的な研究と持続的な成果が国際的に高く評価されていることを示している。

(中国経済新聞)