吉利自動車、2025年上半期の売上高は急増も海外市場で課題

2025/08/16 07:30

吉利自動車は8月14日、2025年上半期の中間決算を発表し、売上高が1503億元(約2兆8000億円)に達し、前年同期比27%増を記録した。しかし、純利益は14%減の92.9億元(約1700億円)にとどまった。

吉利自動車の2025年上半期の総販売台数は140.9万台で、前年同期比47%増となり、市場平均を大きく上回る成長を達成した。内訳は、ガソリン車が68.4万台(同8%増)、プラグインハイブリッド車が21.4万台(同61%増)、純電気自動車が51.1万台(同173%増)で、各カテゴリーの販売台数成長率が市場平均を上回った。特にガソリン車は市場の逆風を跳ね返す成長を見せた。この好調な市場パフォーマンスを受け、吉利自動車は年間販売目標を従来の271万台から300万台に上方修正した。

8月14日の業績発表会で、吉利自動車の桂生悦行政総裁は、上半期の国内市場シェアが初めて10%を超え、10.4%に達したと述べた。国内首位の比亜迪(BYD)の市場シェア14.77%との差は、8ポイントから4ポイントに縮小した。しかし、吉利自動車の課題として海外市場での苦戦が浮き彫りとなった。

吉利豪越Lモデル

吉利自動車の2025年上半期の輸出台数は18.4万台で、前年同期比7.7%減となった。一方、中国自動車業界全体の輸出台数は258万台で、同10.3%増を記録し、吉利の「海外進出」パフォーマンスは業界平均に大きく後れを取った。吉利自動車グループのCEO、淦家閲氏は、輸出量の減少は主に東欧市場の低迷によるものだと説明した。東欧市場は吉利の総輸出台数で最大の割合を占めるが、上半期の東欧での販売台数は40~50%減と大幅に落ち込んだ。

淦氏は、吉利が海外市場での課題に対応するため、グローバル協業と地域深耕を組み合わせたフラットな発展モデルを採用し、製品戦略では現地化と「ガソリン・電動並行」を強調すると述べた。吉利は下半期に複数の新エネルギー車を海外市場に投入し、輸出量を上半期比で30%以上増加させる目標を掲げている。

(中国経済新聞)