十五夜より十六夜の月が丸い?――今年の中秋は「スーパームーン」

2025/10/6 14:00

一年に一度の中秋節がやってきた。月を愛でる季節である。

ことわざに「十五の月より十六の月」とあるように、今年の中秋の月はまさにその言葉を裏付けるかのように、最も丸くなる瞬間が10月7日午前11時48分に訪れる。天文の専門家によると、観月には6日夜と7日夜が最適だという。

「十五の月より十六の月」その理由

中国天文学会の会員であり、天文科普専門家の修立鵬(しゅう・りっぽう)氏はその理由を次のように説明する。

月は自ら光を放つ天体ではなく、太陽の光を反射して輝いている。月が地球の周りを公転する間に、太陽・地球・月の位置関係が周期的に変化することで、満ち欠けという現象が生じる。この周期を「朔望(さくぼう)周期」と呼び、その平均期間は29.53日である。

旧暦では、太陽と月がほぼ同じ方向に並ぶ「朔(新月)」の日を月の初日(初一)として定めるが、満月となる「望」の日は固定されていない。新月から満月までの期間は最短で14日弱、最長で15日以上あり、平均すると約14.76日となる。そのため、満月が十五夜に当たる年もあれば、十六夜(いざよい)や十七夜にずれ込むこともある。統計的には十六夜に満月となることが最も多く、「十五の月より十六の月」という言葉が生まれたのだ。

今年の中秋は「スーパームーン」

今年の中秋満月にはもう一つ特別な特徴がある。それは「スーパームーン」である。

もっとも、「スーパームーン」というのは正式な天文学用語ではなく、正確には「近地点満月」を意味する。すなわち、満月のタイミングで月が地球に最も近い位置(近地点)付近にある場合、月の見かけの大きさが通常よりわずかに大きく、明るく見えるのだ。ただし、肉眼でその違いをはっきりと識別するのは難しい。修氏によれば、「スーパームーン」は珍しい現象ではなく、毎年複数回起こるという。

美しい月を楽しむには

古来より中秋節の月は「団円(家族の団らん)」を象徴し、故郷や家族への思いを託す存在とされてきた。では、この特別な満月をどのように楽しめばよいのだろうか。

修氏は、「日没後すぐに月が昇り始めるので、地上の景観とともに昇る月を眺めるのが特に美しい」と語る。さらに、2時間ほど経つと月はちょうど見上げやすい高さに達するため、夕食後の観月にも最適だという。視界の開けた場所を選べば、空高く輝く満月を存分に堪能できるだろう。 今年の中秋、夜空にかかる丸い月を見上げながら、遠く離れた家族や友人に思いを馳せてみてはいかがだろうか。

(中国経済新聞)