2025年の中国国慶節(10月1日~7日)の映画興行が、活況を極めている。中国映画プラットフォームのデータによると、国慶連休中の新作映画総興行収入がすでに8億元(約160億円)を突破した。これは、昨年を上回る好調なスタートを切ったことを示しており、観客の映画館への回帰を象徴する出来事だ。連休初日の興行収入だけでも3億元を超え、以降も勢いが止まらない。
総額8億元のうち、上位作品が大きなシェアを占めている。新作ランキングのトップ3は、以下の通りだ。

- 『志願軍:浴血和平』
朝鮮戦争を題材にした歴史大作で、戦場での壮絶な戦いを描く。主演のウー・ジンらによる迫力ある演技が話題を呼び、観客から「感動の渦」と絶賛されている。公開初日から観客動員が爆発的に増え、すでに2億元以上の興行収入を記録。愛国心を刺激するストーリーが、国慶のタイミングにぴったり合った形だ。 - 『刺殺小説家2』
人気シリーズの続編で、ミステリーとアクションが融合したサスペンス。チャン・イーシン監督の独特な世界観が再びファンを魅了し、前作のファン層を固めつつ、新規観客も引き込んでいる。興行収入は1.5億元近くに達し、都市部の若年層を中心に支持を集めている。 - 『浪浪人生』
青春ドラマとして描かれるロードムービー風の物語。主人公の放浪生活を通じて、人生の機微を優しく綴る。批評家からは「心温まる一作」と評価され、家族連れやカップルに人気。1億元を優に超える成績を上げ、意外なダークホースぶりを発揮している。
これら3作品だけで総額の半分以上を占め、国慶連休の興行をリードしている。他にも『731』などのホラー作品や、国際合作映画が並び、ジャンルの多様性が観客の選択肢を広げている。
中国映画市場は、2025年に入ってから快進撃を続けている。1月から10月2日までの年間総興行収入はすでに425億元(約8800億円)を超え、2024年の年間総額を上回るペースだ。
(中国経済新聞)