今年の国慶・中秋連休では、消費促進政策「以旧換新(買い替え、古いものを新しいものに買い替え)」が全国各地で火を噴いた。第四弾として6,900億元規模の超長期特別国債が連休前に各地へ配分され、家電や自動車、農機具、さらには高齢者向けの改修サービスにまで対象が拡大。政策効果が重なり合い、消費市場の活力が一気に高まっている。
家電売り場は来客倍増。北京の大型家電量販店では、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電から、日常使いの小型家電まで幅広い製品が「以旧換新」の対象となり、補助を受けて買い替えが可能となっている。店舗によると、連休初日の客足は通常の週末の2倍以上に達した。

北京市朝陽区双井の京東モール副店長・陳瑞氏は「今回は対象品目が大幅に広がり、消費者はスマートフォン操作一つで手軽に申し込みができます」と話す。
安徽省阜陽市の売り場では、省エネ性能が最も高い「省エネルギー1級」家電の販売比率がすでに8割を突破。市内の消費者・秦標さんは「古い冷蔵庫は音がうるさく電気代も高かった。今回は国の補助で2割引、さらに店舗の割引もあって、最終的に800元以上(約1万7,000円)得をしました」と笑顔を見せた。
集市にも「買い替え補助」適応。江蘇省泰州市では、人気の「消費大集市(特設市場)」に「以旧換新」を直接導入。結婚を控えた王さんはテレビ、冷蔵庫、食洗機など計6万元(約120万円)分を購入。各種補助や割引を合算すると実際の支払いは4万8,000元(約96万円)に抑えられ、1万2,000元(約24万円)節約できたという。
自動車購入も補助最大3万元に。湖北省では国の自動車購入補助に加え、地方独自の補助やローン利子補填、メーカーの値引きを組み合わせ、総額1億元超規模の支援策を展開。

記者の試算によると、総額20万元(約400万円)の新エネルギー車を購入する場合、廃車で2万元、買い替えで5,000元の補助が受けられる。さらに地元自治体から2,500〜3,000元、ローン利子補填2,000元、メーカーの特典などを加えると、最大3万元(約60万円)もの優遇が受けられる計算だ。その結果、連休初日の正規ディーラーの来店客数は40%増加した。

農機市場も収穫期に向け活況。湖南省常徳市の農機販売店にも、秋の収穫を控えた農家が相次いで訪れた。大規模農家の劉則安さんは「古い機械を廃鉄として売れば数千元にしかならないが、今回の廃棄補助では1万7,500元になり、新機購入にさらに50%の補助8,000元余りが追加され、合計2万6,000元以上(約52万円)の補助を受けられました」と語る。

高齢者向け改修も支援対象に。「以旧換新」はシニア層の消費活性化にも一役買っている。今年から居住空間のバリアフリー化・高齢者対応改修が「国補」対象に加わり、60歳以上の高齢者は浴室安全設備やキッチン改良、居住環境改善ツール、スマート介護機器などを購入する際に補助を受けられる。山東省済南市では、この制度を活用した「高齢者住宅改修補助」のイベントが連休中に盛況を呈している。

すでに3.3億人が補助を利用。今年、国家は「以旧換新」支援のために3,000億元の特別国債を手当て。8月までに全国で延べ3.3億人が補助を申請し、関連消費はすでに2兆元(約40兆円)を超えた。
国慶・中秋連休における消費熱は、この「以旧換新」をテコにさらに拡大しており、政策が地域経済と日常生活の双方に着実に浸透していることを示している。
(中国経済新聞)