中国国家統計局が編纂・出版した『中国統計年鑑2025』によると、2024年の全国の結婚届件数は610万5600組に達した。結婚件数には初婚と再婚の両方が含まれるが、出生数とより密接に関係するのは初婚件数である。統計では、2024年の初婚者数は917万2300人、再婚者数は303万8800人となっている。
同年鑑によると、2024年の結婚届件数が多い上位10省は、広東省、河南省、四川省、江蘇省、山東省、安徽省、河北省、雲南省、貴州省、浙江省の順であった。
中でも、広東省の結婚届件数は51万1900組と全国最多で、全国で唯一50万組を超えた省となった。広東省はこれで3年連続の首位を維持している。続いて河南省が47万1300組で第2位。四川省、江蘇省、山東省の3省はそれぞれ35万組を超え、3位から5位を占めた。安徽省、河北省、雲南省、貴州省、浙江省、湖南省、湖北省、広西チワン族自治区などの省・自治区では、20万組から30万組の間で推移している。

婚姻支援と「婚登+文旅」政策の広がり
近年、中国政府は適齢期での結婚・出産を奨励し、社会全体での婚姻・出産支援体制の整備を進めている。その中でも注目を集めているのが「婚姻休暇(婚假)」の延長である。現在、全国の28省が婚姻休暇の延長を明確化しており、山西省と甘粛省では最長30日間の休暇が認められている。
婚姻届の利便性も大きく向上した。中国ではここ数年、住民の「省をまたぐ婚姻届」制度が段階的に推進されており、2024年5月10日に施行された改正「婚姻登記条例」により、婚姻届に関する地域制限が撤廃された。これにより、戸籍地以外でも全国どこでも婚姻届を出すことが可能となり、戸籍簿の提示も不要となった。
この制度改正によって、特に人口流入が多い東部沿海部の都市では、他地域出身者による婚姻届の件数が増加している。また、全国通用化によって「旅行しながら婚姻届を出す」ことも可能になり、多くの都市や観光地が「結婚証交付の新名所」として注目を集めている。地方政府の中には、結婚登記と観光を融合させた「婚登+文旅」モデルを打ち出し、新たな地域活性化の手段として活用する動きも広がっている。
(中国経済新聞)
