無印良品、中国で一部店舗閉鎖と新店舗開設を並行展開

2025/08/16 17:39

無印良品(MUJI)は、中国市場において一部店舗の閉鎖を進めつつ、新店舗の開設や既存店舗のリニューアルを積極的に推進している。北京の世茂工三店が2025年8月31日に閉店することが発表された。同店が掲示した「閉店通知」によると、退換貨サービスはMUJI北京世貿天階店で対応する予定で、「ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。北京には他に34店舗があり、引き続きご愛顧いただければ幸いです」と顧客に呼びかけている。現在、店内では当季商品が6~8割引で販売され、指定の衣料品は2点以上の購入でさらに10%の割引が適用される閉店セールを実施中だ。
世茂工三店の店員によると、同店は開業当初は高い収益を上げていたが、近年は収益が低下。三里屯に新店舗がオープンしたことで、両店舗の近接性が問題となり、閉鎖が決定したという。また、济南市中区の振華商厦店(開業11年)や長沙泊富国際広場店も8月末に閉店するほか、今年に入り济南や武漢などでも撤退が続いている。
一方で、無印良品は新店舗の展開にも注力している。長沙では泊富国際広場店の閉鎖と同時に、華中地域最大となる2000平方メートル以上の2階建て新店舗を長沙荟聚に開設予定だ(開業時期は未定)。さらに、2025年に入り成都、大連、蘇州、武漢など10以上の都市で新店開設や既存店舗のリニューアルを進め、北京だけでも中海大吉巷、三里屯太古里、双井京东Mall、朝陽大悦城に新店舗をオープンしている。
無印良品はこれらの動きについて、「一部店舗の閉鎖は、経営効率の最適化を図るための通常の調整。商業エリアの人流減少といった課題に対応し、収益性の低い店舗を見直している」と説明。MUJI中国は現在、年間約40店舗のペースで新規出店を維持し、2025年3月1日以降すでに15店舗を新たに開業している。
業界関係者は、今回の戦略転換について「低効率店舗の閉鎖で財務負担を軽減し、高い坪効率を持つフラッグシップ店舗に資源を集中することで、規模拡大から収益優先へとシフトしている」と分析する。
無印良品は1980年に創業し、2005年に中国市場に進出。現在、中国大陸の店舗数は400を超え、日本以外で最大の収益源となっている。2014~2016年には中国での売上高成長率が14.3%、14.5%、45.7%を記録したが、2018年第2四半期に初のマイナス成長を経験。2022年度の良品計画の営業利益は27.8%減少し、中国の同店売上高は前年度の88.4%にとどまった。
中国市場での巻き返しを図るため、無印良品は価格引き下げ、コラボ商品の展開、ペット用品の拡充、即時配達サービスなどを導入。界面新聞によると、2025年7月時点で中国の直営店とECチャネルは10カ月連続で売上増を記録し、累計同比117.3%の成長を達成。特にスキンケアや生活雑貨が売上を牽引している。

(中国経済新聞)