日本の半導体製造設備およびその部品とフラットパネルディスプレイ(FPD)製造設備の月間輸出額は、2023年第4四半期から今年3月まで、中国向けの割合が全体の50%を超えた状態が続いている。
貿易関連のデータによると、今年3月までの第1四半期、半導体の製造設備や部品、FPD製造設備の輸出のうち、中国向けの割合が半分を占め、金額も計5212億円で2023年同期の82%増となっている。これについて、比較可能なデータのある2007年以降で最高額とのことである。
この理由は中国の需要が旺盛なためであり、このところの米中貿易摩擦により中国で生産ラインを汎用品中心に切り替えたことが購入増につながったともみられる。さらに中国は、新エネ車など新手の製品が出てきて車載電子部品や次世代型半導体の需要が高まっている。
日本の半導体製造設備は、ニコン(Nikon)とキヤノン(Canon)が2大メーカーで、露光装置についてはこれに加えてオランダのASMLが世界の「3強」となっている。SEMI (国際半導体製造装置材料協会)の最新データによると、2022年、世界の半導体設備のうち露光装置が23%を占め、市場規模は232.3億ドル(約3.655兆円)で、シェアはASMLが82%、キヤノンが10%、ニコンが8%となっている。ただニコンはこのほか、検査や測定装置など他の半導体製造設備のシェアが世界上位となっている。
業界関係者によると、ニコンは現在、中国のEV大手・BYDに露光装置を供与しているという。ニコン半導体装置事業部の森田真弘部長は先ごろ、「現在、中国の新エネ車産業の急成長を受けて、28nmプロセスの半導体への需要が高まっている。われわれの受注を見ると、一部の新エネ車メーカーがこの28nm品を使う露光装置を発注している」と述べている。
ニコンは製品面について、2024年は中国を主対象に、炭化ケイ素用も含めて計2種類の露光装置を発表する予定である。炭化ケイ素用露光装置はライバルであるキヤノンの製品カタログでも見られる。森田部長は、「中国の新エネ車産業における半導体需要の増加と、半導体設備の製造技術の進歩は、お互いに刺激し合って伸びゆく関係にある。国際的な半導体製造設備メーカーとしては好ましい傾向だ」と述べている。
(中国経済新聞)