中国、個人貯蓄額は4年間で1200兆円

2024/02/24 19:30

中国は2020 年から2024 年 1 月までのおよそ4年間で、家庭での銀行への貯蓄額が合計58.24 兆元(約1216兆円)で、このうち82%が定期預金用であった。この金額は2009 年から2019 年までの合計額とほぼ同じである。

このうち、2022 年の貯蓄額は統計を取り始めてから最高額となる17.84 兆元(約372.6兆円)で、2023 年はそれに次ぐ16.67 兆元(約348.2兆円)であなった。各銀行が軒並み定期預金の金利を引き下げた中での結果である。中国建設銀行の場合、3 年ものの積立預金の金利は2022 年 9 月の2.6%から2023 年 12 月には1.95%に下がっている。

これについて「興業証券」は、単にお金を使わなくなったからではなく、お金の使い道が変わったためと見ている。報告によると、2023 年9月末の時点で、個人での住宅購入用の貯蓄額減少分が5.7 兆元(約119兆円)増加し、また資産運用向けの貯蓄額減少分が4.5 兆元(約94兆円)増加している。

興業証券は報告で、「日本でも1990 年代に家計における資産構成の割合が変化しており、不動産が減って現金・預金、保険が増え、株やファンドはほぼ横ばいだった」と記している。

上記の期間中、組織や団体でも新規貯蓄額が約 5.87 兆元(約122兆円)増えている。2020 年はコロナ対策への出費の大幅増により貯蓄は 「わずか」1907 億元(約3.98兆円)しか増えなかったが、その後の3年間はいずれも1 兆元(約21兆円)を超えており、特に去年は2.3 兆元(約48兆円)以上となっている。

組織や団体の貯蓄とは、政府機関や団体、役所関連における銀行預金用の経費であり、計上後の利用となるため、使われなければ預金となり、ほぼ当座預金である。ただし「長城証券」はこれについて、「組織や団体でも同じようにこの傾向が定着している」と見ている。

(中国経済新聞)