「PCR王」の張核子氏、調理済み食品に参入

2023/09/27 14:30

コロナ禍の最中に「PCR王」と言われた張核子氏、そして張氏が代表を務め、1年間でPCR検査会社を16社設立した深セン市の核子基因科技が、またも話題の的になりそうである。

企業情報サイトの天眼査によると、核子基因科技は2012年設立で資本金は3707万元(約7.55億円)である。2023年5月22日に、資本金500万元(約1.02億円)を全額出資する形で「武漢核子農業科技」を設立した。

武漢核子農業科技は8月7日、「九谷益聖」の文字とロゴについて商標申請をした。カテゴリーは即席食品で、対象となる品目はパックご飯、米、ビーフン、穀類加工品、主に米を原料とするフリーズドライ品、米や穀類で作られた間食類、食品用の米のり、食用芳香剤で、商標は今の段階で「審査待ち」となっている。

パックご飯や即席食品はいずれも、3年に及んだコロナ禍で飲食業界の花形品となった調理済み品に属し、流れに乗って大企業、中小企業を問わずこの分野への参入が相次いでいる。

武漢核子農業科技はまた、水稲の開発にも取り組む予定である。調理済み食品の川上側までカバーするトータルな産業チェーンを築こうという張核子氏の狙いも透けて見える。

iiMedia Research(艾媒諮詢)によると、2022年、中国の調理済み食品の市場規模は前年比21.3%増の4196億元(約8.54兆円)で、今後も急激に伸び続け、2026年には1兆720億元(約21.8兆円)となる見込みである。現在はニッチ品目として好機に恵まれているが、競争が激しくなると品質や味に対する消費者の好みが高まるので、企業としてはニーズを満たべすく品質や新規開発力を常に格上げして、好機を捉えなくてはならない。

(中国経済新聞)