上海自由貿易区設立から10年 裁判所2か所の審議件数20万件余り、うち半数以上が金融トラブル

2023/09/26 11:30

上海の第一中級人民裁判所の共産党グループメンバーである徐世亮副院長は、9月22日に行われた上海自由貿易試験区の司法サービス保障白書に関する発表会で、「開設から10年間が経った自由貿易区で、裁判所2か所での審議件数は20万件余り、うち半数以上が金融トラブルだった」と述べた。

この白書で、2013年11月から2023年6月までのデータを見ると、投資関連の事案のうち浦東裁判所で受理した自由貿易区のトラブルが4402件で、4367件が結審している。これらについて、企業内部でのトラブルの多様化による投資家の権益に関する争議や、外国人幹部や上級技術者の職務不手際によるトラブルが多発していることが特徴として挙げられる。

同じく浦東裁判所で、自由貿易試験区における貿易関連のトラブルの受理件数は17456件で、結審が17264件であった。主な特徴は、従来の貨物貿易やサービス貿易、加工貿易の割合が下がり、新エネ車、モバイルエナジー、半導体チップなど新種の産業で多発していること、またデジタル経済に関わる新しい形のサービス貿易で増加していることなどである。

また金融関連については、浦東での受理件数は109549件で結審が109522件であり、新たな事業モデルで厄介な事案が次々と発生している。知的財産権関連は51177件で結審が50578件、この中ではデジタル経済に関するものが増え続け、請求金額も明らかに上昇している。

さらに仲裁関連では、2018年1月~2023年6月の結審事案が4260件あった。様々な争議解決条項で設定された手順での和解を当事者が十分に尊重して、多元的な解決制度の手順が協調の上で実行されていること、仲裁機関や仲裁の結果の独立性が十分に尊重され、慎重な形で事案の申請撤回が行われていることが特徴として挙げられる。

(中国経済新聞)