新型コロナウイルスが世界に流行して3年近くが経過し、弱毒化が進んでいる中、中国各地の感染対策もこれに合わせて規制撤廃の動きが進んでいる。
各地でここ連日、PCRや健康アプリのチェックの廃止、PCR検査の頻度や回数の削減、高リスク対象範囲の縮小、条件を満たした濃厚接触者や特定層の感染者に対する自宅待機の許可などといった策が打ち出されている。2020年初めから実施されてきた甲種感染症に対する予防措置が緩みつつあり、現在行われている措置は、感染症対策の基準における乙種に相当するものになっている。
中国国家衛生健康委員会は2020年1月20日、1号公告として「『感染症防止法』の規定により、新型コロナウイルスに感染した肺炎の病原、疫学、臨床の特徴などへの認識を元に、国務院の認可や同意を経て、新型コロナウイルスによる肺炎を法定感染症乙種に指定し、甲種感染症の予防、管理措置を講じる」と発表していた。
ある感染症の専門家によると、「感染症の管理モデルは伝染力や発病性により決まる」とのことである。発病性が強く、死亡率も高くて伝染力が強いものは通常甲種または乙種甲レベルとし、発病率が高く死亡率も高いが感染力が弱く、社会に何らかの影響が出るものは乙種、伝染力は強いが発病性が弱く、死亡率も低いものは丙種としている。
最近中国各地で見られるPCR全員検査の撤廃、一部の地域での陽性者の隔離廃止、または濃厚接触者の自宅待機許可などといった措置は、乙レベルの管理指針に沿ったものであるが、コロナの管理指針が甲レベルとなっている中、矛盾が多発している。例えば、重症患者を治療する際に、先にコロナ検査をするのか治療を優先するべきか、決めかねる状態である。今のウイルスの特性から、管理を乙レベルに戻して陽性者を自宅待機とすれば、臨時病院にある大量の医療資源を一般の診療へと振り向けることができる。またコロナ感染者への対応時も、ハイリスク群の治療に一層力を入れることができる。
コロナ管理対策が今後、甲種方式から乙種方式に切り替わるかどうかは、感染対策の改善のありかたにじかに関わってくる問題である。
(中国経済新聞)