浙江省の寧波日報によると、10月21日夜、寧波市鄞州区四明中の「三江スーパー」でお年寄りが買い物を終えて店を出ようとした際に、セルフレジで75元(約1500円)の地物豚肉をバーコードスキャンしなかったとして、スーパーの職員が万引きと見なし2万元(約40万円)の罰金を請求した。怖くなったお年寄りは仕方なく、スマートフォンに預金していた3000元あまり(約6万円)を全額、職員本人のウォレットに送金した上、指示に従って本人同意済みとの合意書にサインした。
このスーパーは、警察に見せた過去の監視カメラでこのお年寄りが過去にもセルフレジで「読み取り逃れ」をしていたと見て、注意をしていたとのことである。今回の件は地元警察が対応済みで、スーパーはすでに承諾書を発行した上に罰金を本人に返還し、お年寄りとその家族も高額の罰金請求について訴求しないとしている。
こうした客の「スキャン逃れ」やスーパーの「罰金請求」に関して、法的な解釈がなされている。
河南省にある沢槿弁護士事務所の主任弁護士である付建氏は今回の件について、「以前にもわざとスキャン逃れをしていたとすれば窃盗となり、金額的に見て立件に至らないと見られても、2年間で3回行ったことが分かればやはり窃盗罪となる。警察が複数回実施したと見なせば、刑事責任を問われる」と述べている。
ただし、罰金を科すのは行政罰であって、スーパーにそれを実行する権利はない。付氏は、「スーパーが勝手に2万元を徴収しようとしたのは違法であり、客の行為が万引きであるかどうかを問わずスーパーには罰金を科す権利はない。また、スーパーの職員が徴収した3000元あまり(約6万円)を個人のウォレットに収めたのは、職務の利用による会社の資産横領にあたり、立件に至らない金額でも民事責任が問われることになる」と見なしている。
(中国経済新聞)