中国では、出産適齢期の女性の減少や出産意欲の低下、またコロナなどの影響で、出生人数や出生率が下がる一方であり、中でも第1子の出生数が急減している。
中国国家衛生健康委員会が発表した2021年の統計を見ると、出生人数は1062万人で、このうち2人目が41.4%、3人目またはそれ以上が14.5%となっている。すなわち人数で言えば、1人目が468.3万人、2人目が439.7万人、3人目以上が154万人である。
中国で1人目の出生数が500万人を割り込んだのは、最近では初めてのことである。2021年の1人目の数は2016年の51.8%であり、この5年間で48%ほど落ち込んだことになる。
この大きな理由は、出産適齢期、特に最適齢期の女性の数が大幅に減っているためである。衛生健康委員会人口家庭局の楊金瑞局長は今年1月、「『第13次5か年計画』(2016-2020年)期間中、20-34歳の女性の数は年平均で340万人減り、2021年にはさらに473万人減って、これにより出生人数が低下した」と述べた。また妊娠・出産世代となるべき1990年代および2000年代生まれの世代が、在学中であるか都市部に勤務しており、教育年数の延長や就職戦線を前に出産などを遅らせる傾向が進んでいる。
国家統計局が発表した「中国人口普査年鑑-2020」によると、2020年の平均初婚年齢は28.67歳で、2010年の24.89歳から3.78歳も遅くなっている。
人口問題に詳しい広東省人口発展研究院の院長である董玉整教授によると、今の若い世代は子育てについて、見方も変わり、またその社会的価値感も変わってしまったという。結婚や出産は人生の必須アイテムではなく、独身は気ままだ、などと考える人もいるうえ、経済面を見ても出産や子育てにはお金がかかり、若い夫婦にとって負担も大きくなっている。
(中国経済新聞)