老舗に宿る新味――三百年の伝統を継ぐ鄒平「紙皮包子」、匠技に吹き込まれる新たな息吹

2026/02/18 08:30

「民は食をもって天となす」――。

古来より語り継がれてきたこの言葉は、中国人にとって「食」がいかに重要な存在であるかを端的に示している。

中華の優れた伝統文化を象徴する存在の一つが、各地に受け継がれてきた無形文化遺産の食である。それらは日々の暮らしを支える糧であると同時に、長い歳月の中で人々の記憶や郷愁を包み込む「味の文化」として育まれてきた。

山東省鄒平市で300年以上の歴史を持つ「中華老舗」にして省級無形文化遺産にも認定されている鄒平の「紙皮包子」も、その中で高い人気を集めている。

「皮は紙のように薄く、具はたっぷり」――その独自の製法が、多くの客を引きつけている。鄒平市内の紙皮包子専門店の調理場では、第六代伝承者の高文霞さんが、その製造技術について丁寧に説明してくれた。紙皮包子は、材料選び、生地づくり、皮のばし、包みなど、全部で八つの工程を経て作られる。中でも最も重要なのは、生地をこねる際に地元特産の山芋の搾り汁や粉を加える工程だという。

山芋を加えることで生地の伸びが格段に良くなり、どれだけ引き伸ばしても破れにくい、しなやかで丈夫な皮ができあがる。一般的に皮の重さは約15グラム。それでいて、その5~6倍の具材を包み込むことができる。具の種類によって多少異なるが、完成した包子は1個あたりおよそ100~110グラムになる。

伝統の味を守り続ける一方で、時代の変化に合わせた工夫も重ねてきた。かつてはセロリ・豚肉・春雨を使った一種類のみだったが、現在では若い世代や健康志向の高まりに応えるため、新しい具材を積極的に取り入れている。

油や塩分を控えた「野菜シリーズ」として、ナズナと卵、ニンジンと卵などのメニューを展開。より現代の食生活に合った味わいへと進化させている。

単一の味から多彩な選択肢へ。鄒平の紙皮包子は、無形文化遺産の技を守る職人の心を大切にしながら、革新によって新たな市場を切り開いてきた。

地元の多くの家庭にとって、湯気の立つ一せいろの包子は、単なる食べ物ではない。春節を迎えるうえで欠かせない、大切な“節目の味”なのである。

(中国経済新聞)