中国のヒューマノイドロボット、再び春晩の舞台に華やかに登場

2026/02/17 14:46

大みそかにあたる16日の夜、国民的年越し番組である中国中央广播電視総台春節聯歓晚会(春節聯歓晩会)が、今年も予定通り幕を開けた。なかでも視聴者の視線を強く引きつけたのが、相次いで登場したロボットによる演目である。「春晩でロボットがセンターに立った」という話題は、瞬く間に検索ランキングの上位に躍り出た。

今年は、ユニツリー・ロボティクスを含む計4社のロボット企業が春晩に登場した。特に注目を集めたのは、ユニツリー・ロボティクス(Unitree Robotics)のロボットが出演した武術パフォーマンス「武BOT」だ。宙返りを決め、剣を操り、複雑な立ち回りを滑らかにこなす姿は、もはや実験的な演出の域を超え、本格的な舞台芸術として成立していた。また、「松延動力」のロボットが登場したコント「奶奶的最愛」では、“初代ロボット”を演じる蔡明と最新型ロボットが共演し、技術と倫理というテーマを温かな物語として描き出した。さらに、「魔法原子」のロボットは楽曲「智造未来」で人気スターと共演し、「銀河通用」のロボットは沈勝、馬麗とともに年越しの短編作品「我最難忘的今宵」に出演した。

かつて春晩といえば、優雅な舞踊や心を打つ歌、印象的なせりふを生む言語系演目が主役だった。しかしロボットが舞台の中心に立つようになった今、視聴者はそのパフォーマンスの背後に、中国テクノロジーの鼓動を感じ取っている。

多くの人が記憶しているであろう2025年のロボット演目「秧BOT」。ロボットが秧歌(ヤンコ踊り)を披露し、全国的な話題をさらった。それから一年、今年の舞台でロボットは“武術の達人”へと進化している。動きの難度も身体の滑らかさも、明らかに別次元に達した。

その背景にあるのは、中国ロボット産業の急速な発展である。工業情報化部のデータによれば、2025年時点で国内の完成品メーカーは140社を超え、発表されたヒューマノイド型ロボットは330種類以上にのぼる。さらに、中国情報通信研究院が公表した『ヒューマノイドロボット産業発展白書(2025)』によると、2025年の世界ヒューマノイド市場規模は約170億元、中国市場は85億元を突破し、世界シェアは50%を超えた。世界市場は約3,400億円、中国市場は約1,700億円規模となる。舞台上の数分間の輝きの背後には、こうした巨大な産業基盤が横たわっている。

しかも、春晩の舞台に立つロボット企業は、あくまで表舞台に現れた一部にすぎない。その背後では、人工知能による情報処理、音声認識技術、精密製造などの産業分野が緊密に連携している。こうした幅広い基礎技術の積み重ねがあってこそ、舞台上の数分間の驚きが実現しているのである。

ロボットの春晩登場は、一つの象徴でもある。春晩は伝統を受け継ぐ装置であり、「団らん」を何より重んじる春節の時間に、記憶を呼び覚まし、感情を結び直す場である。一方、先陣を切るロボットは未来の象徴であり、中国のものづくりと科学技術を体現する存在だ。

伝統と未来が同じ舞台に立つ――そこに今年の春晩ならではの風景があった。なじみ深い年の風情の中に、新しい時代の脈動が重なり合う。文化と科学技術が交差し、最も長い歴史を持つ祝祭の中で、いまを生きる中国の姿が鮮やかに浮かび上がる。

科学技術はもはや構想の中だけの存在でも、日常に突然入り込む異質なものでもない。それは静かに、しかし着実に、人々の祝祭の物語と生活経験の中へと溶け込みつつある。人々はそれと向き合いながら、その距離感や向き合い方を学び、共に歩み始めているのである。

(中国経済新聞)