2025年、中国の婚姻件数が約10%増加

2026/02/13 08:30

中国民政部が2月11日に発表した2025年の全国婚姻登記データによると、同年の結婚登記件数は676万3,000組に達した。前年(2024年)の610万6,000組から65万7,000組増加し、伸び率は約10.76%となった。一方、離婚登記件数は274万3,000組で、前年より7万7,000組減少した。

近年、中国では結婚登記件数が連続して減少しており、2024年には1980年代以降で最低水準を記録していた。しかし2025年は、この長期的な減少傾向にいったん歯止めがかかり、増加へと転じた。

背景には複数の要因がある。まず、2025年5月10日に施行された改正「婚姻登記条例」の影響が大きい。同条例では、婚姻登記における地域制限が撤廃され、戸籍簿の提出も不要となった。これにより、全国どこでも省をまたいだ手続きが可能となり、他地域で働く若者や人口流動の多い都市部で、これまで積み上がっていた結婚需要が一気に顕在化したとみられる。

すでに2025年のデータを公表している上海、広東、福建、江西、四川、湖北の6省・市では、人口流入の多い地域を中心に顕著な増加が確認されている。

例えば、広東省は61万4,000組(前年より10万2,000組増、増加率19.92%)、上海市は12万5,000組超(前年同期比約38.7%増)、深圳市は11万8,900組(同28.54%増)と、大都市や経済活動が活発な地域で大きな伸びを示した。福州市(20.37%増)、南京市(18.27%増)、蘇州市(33.51%増)などでも同様の傾向がみられる。

また、2025年は旧暦で「双春年(そうしゅんねん)」にあたり、1年に立春が2回訪れる縁起の良い年とされる。「双春双喜」とも呼ばれ、結婚に適した年との民間信仰が根強い。このことも、とくに伝統を重んじる家庭において結婚を後押しした可能性がある。

一方、離婚件数の減少は、結婚件数の増加とあわせて一定の安定化の兆しとも受け止められる。近年、中国政府は適齢期の結婚・出産を奨励し、婚姻・出産支援体制の整備を進めており、こうした政策効果が一部表れ始めている可能性もある。

もっとも、専門家は今回の増加を「政策効果と先送りされていた需要の顕在化による短期的現象」と分析する。適齢人口の減少、結婚・出産コストの上昇、若者の価値観の変化(個人のキャリアや自己実現の重視)といった構造的課題は依然として解決されておらず、長期的な結婚率の回復基調に転じたと断言するのは尚早だ。

今後の統計動向が、2025年の増加が一時的な反発にとどまるのか、それとも持続的な回復の始まりとなるのかを見極める鍵となる。中国社会の婚姻・家族構造は、人口政策や経済環境と密接に連動しており、2025年のデータは少なくとも一時的な明るい兆しを示したといえる。

(中国経済新聞)