13歳体操少女、コーチの体罰と金銭要求で4階から転落

2026/02/12 20:30

浙江省杭州市の浙江体育職業技術学院に所属する13歳の体操選手、傅佳麗さんが、コーチから長期にわたる体罰、侮辱、さらには金銭の要求を受け、精神的に追い詰められて4階から転落し、重傷を負った事件が大きな注目を集めている。家族の告発により、事件は世論を沸騰させ、浙江省体育局と地元警察が本格的な捜査を開始した。

傅佳麗さんは4歳から体操を始め、9歳で同学院の体操チームに入団。10歳で浙江省運動会(省運会)の体操種目で優勝を果たし、将来有望な選手として期待されていた。しかし、2022年末に主コーチの唐琰氏と副コーチの施佳氏のグループに移籍して以降、状況は一変したという。家族によると、傅さんは日常的に耳を叩かれたり、髪を引っ張られたり、壁にぶつけられるなどの体罰を受け、「廃物」「生きているだけで空気を無駄にする」といった侮辱的な言葉を浴びせられていた。また、トレーニングのミスに対する罰金、祝日の贈り物、食事改善費、関係調整費などの名目で、家族と傅さん本人から合計4万3000元(約80万円)以上を要求され、支払っていた記録がある。

事件のきっかけとなったのは、2025年11月25日のトレーニング中。傅さんが動作をミスしたところ、コーチから保温カップで肩を殴られ、再び「生きているだけで空気を無駄にする」と罵倒された。その夜、傅さんは耐えきれず4階から飛び降り、肺挫傷、肋骨骨折、脾臓出血、肝機能の深刻な損傷を負った。現在も重い障害が残る可能性が高く、体操選手としてのキャリアは絶望的だという。母親は「私たちはただ娘が安全に練習できるようにと、コーチの要求に応じてきたのに、それがエスカレートしてしまった」と涙ながらに語っている。

転落後、家族は学校側に監視カメラの映像提供、謝罪、医療費負担などを求めてきたが、対応は冷淡で、77日間にわたり進展がなかった。学校はコーチを停職させず、家族の訴えを無視し続けたため、母親は1月に転帳記録、チャット履歴、傷害診断書、目撃者証言などの証拠をソーシャルメディアで公開。ネット上で大きな反響を呼び、「これは厳格な指導ではなく虐待と恐喝だ」「13歳の子供を死に追いやるなんて許せない」といった声が相次いだ。

世論の圧力を受け、2026年2月10日、浙江省体育局は調査チームを設置し、体罰、師徳、資金問題を徹底的に調べる方針を発表。杭州警察も同日、故意傷害、恐喝、虐待などの容疑で2人のコーチを立件捜査を開始した。学校側はようやくコーチを停職処分とし、医療費の一部を負担。最終的な調査結果に基づき、責任者を厳しく処分するとしている。

この事件は、中国のスポーツ界における未成年選手の保護問題を再び浮き彫りにした。厳しいトレーニングが「厳師出高徒」の美名のもとで虐待に転じやすい構造が指摘されており、ネットユーザーからは「国家のために栄光を勝ち取るはずの子供が、なぜ絶望に追い込まれるのか」との疑問が上がっている。

(中国経済新聞)