高市首相の「対日両用物項輸出規制」撤回要求に、中国は「受け入れられない」と明言

2026/01/16 08:30

1月15日、中国商務部(商務省)は定例記者会見を開き、最近の日本首相・高市早苗氏の発言に対して強い立場を示した。
商務部報道官の何咏前氏は、記者からの質問に対し、次のように回答した。
「我々は日本首相・高市早苗氏の関連発言に注目している。中方はこれに対して断固反対し、受け入れられない。中方が日本に対して両用物項の輸出規制措置を強化したのは、日本のみを対象としたものではなく、国際慣行に反するとの主張および撤回要求に対しては、断固として反対する。」
何咏前報道官はさらに、中方による対日措置の根本原因は「高市首相の誤った言動にある」と指摘し、日方はこれを「心知肚明(よくわかっている)」はずだと強調した。
同報道官は次のように説明を続けた。
「輸出規制は国際的に通行的做法であり、世界平和の維持と防拡散に関する国際義務の履行こそが輸出規制の宗旨と原則である。中国は責任ある大国として、一貫して防拡散国際義務を積極的に履行してきた。法に基づき、すべての両用物項について、日本軍事ユーザー・軍事用途、および日本軍事力強化に寄与するその他の最終ユーザー用途への輸出を禁止することは、『再軍事化』と核保有企図を阻止するためのものであり、完全に正当・合理的・合法である。
日方は問題の根源を直視せず、逆に中方を『経済的脅迫』と非難するのは、まさに黒白を倒錯させ、強弁を弄する行為であり、その言動は軍国主義復活への懸念を一層強めるものである。中方は改めて日方に強く促す。真摯に自らを省み、誤りを正し、誤った道をこれ以上進まないよう求める。」
中国商務部は1月6日、「商務部公告2026年第1号」を発表し、日本に対する両用物項(軍民両用物資・技術)の輸出規制を強化することを決定した。この措置は、日本軍事関連ユーザーへの輸出全面禁止を柱としており、特に重希土類(ディスプロシウム、テルビウムなど)をはじめとする戦略物資が影響を受けるとみられている。
この決定の直接的なきっかけは、高市早苗首相が就任後、台湾問題をめぐる一連の強硬発言(「台湾有事は日本存亡の危機」発言など)であり、中国側はこれを「中国の主権・領土保全への侵害」「内政干渉」「武力による台湾統一への武力介入示唆」と位置づけ、深刻な問題とみなしている。
1月8日頃に行われたNHKのインタビューで、高市首相は中方の措置について「日本のみを対象とした差別的措置であり、国際慣例に反する」「受け入れられない」と強く抗議し、撤回を要求。さらにG7と連携して「冷静に対応」し、サプライチェーンの多元化を進める方針を示した。
しかし、中国商務部は15日の会見でこうした要求を明確に拒否。日中関係は、両用物項規制強化をめぐり、経済・安全保障の両面で一層緊張が高まっている状況にある。
日本国内では、自動車・半導体・電子部品産業を中心に深刻な影響が懸念されており、野村総合研究所の試算では規制が1年継続した場合、GDPを0.43%押し下げ、2.6兆円規模の経済損失が生じるとの見方も出ている。
今後、日中両国がこの対立をどのように収束させるのか、あるいはさらに先鋭化させるのか、国際社会の注目が集まっている。

(中国経済新聞)