中国・珠江デルタ(珠三角)の一角にある広東省仏山市順徳区の楽従鎮。地図上では目立たないこの小さな町が、いまや世界最大級の家具市場、全国最大級の鋼材取引市場、華南最大級のプラスチック市場という三大産業集積を抱える商都へと変貌を遂げている。
森林資源も鉄鋼資源も石化資源もない土地で、なぜ「無から有を生む」ことができたのか。そこには、改革開放以降に花開いた企業家精神と、絶えず進化する商業モデルの存在があった。
「無中生有」(無から有を生む)――三大産業集積が築いた商都の名刺
楽従鎮は珠三角の中核部に位置し、「中国家居商貿・イノベーションの都」「中国鋼鉄専門市場モデル区」「中国プラスチック商貿の都」といった称号を持つ全国有数の商業強鎮である。
最新データが示す規模は圧倒的だ。
家具産業:世界最大級の集散地
国道沿い十数キロにわたって家具モールが連なり、羅浮宮家居集団、皇朝、順聯など180以上の大型家具商城が集積。商戸は1万社超、製造企業は2600社以上に及び、年間取引額は800億元(約1兆6,000億円規模)を超える。取扱品目は世界の家具カテゴリーの99%を網羅し、100以上の国・地域へ輸出。年間来訪者数は930万人を超える。

