「子どもの日」控え親子旅行が活況 成人した子どもが親を誘う新潮流も

2026/06/1 08:30

6月1日の「国際児童節(子どもの日)」を前に、中国で親子旅行の人気が高まっている。オンライン旅行予約サイト(OTA)の統計によると、今年は従来の「親が子どもを連れて旅行する」スタイルに加え、成人した子どもが親を連れて旅行する新たな親子旅行の形も広がりを見せている。

同程旅行や去哪児旅行、途牛旅行などのデータによれば、5月29日から6月1日にかけての親子向け近郊旅行商品の予約件数は前週比で65%以上増加した。なかでも博物館、テーマパーク、動物園の入場券予約が大幅に伸び、それぞれ82%増、71%増、69%増となった。

2026年に入ってからの親子旅行予約件数は前年同期比70%増と好調を維持しており、「遊びながら学ぶ」をテーマにした学習型の親子旅行と、家族の絆を深めることを目的とした情緒重視型の旅行が市場拡大を支える二大要因となっている。

今年は中国各地で小中学校の春休み制度の試行が進んだことを受け、親子旅行市場にも変化がみられる。家族旅行の日程が分散化し、「週末+短期休暇」を組み合わせたマイクロツーリズムが主流となったことで、家族の年間旅行回数は前年より平均1.4回以上増加した。「高頻度・近距離・体験重視」が親子旅行市場の新たな特徴となっている。

こうした傾向は今年の「子どもの日」連休にも表れている。同程旅行のデータでは、「身近な学びの場」をテーマとした日帰り・半日研修旅行商品の予約件数が前週比120%以上増加した。去哪児旅行によると、5月30日から6月1日までの景勝地チケット予約数は前期間比で約70%増加し、テーマパークが引き続き家族連れに人気を集めている。

一方で、博物館や文化観光地への関心も高まっている。特にHubei Provincial Museumの入場券検索数は前期間比で10倍以上に増加した。

親子旅行の人気目的地としては、Beijing、Shanghai、Guangzhou、Chengdu、Xi’anなどの大都市が引き続き上位を占める。一方、Yangzhou、Dunhuang、Weihai、Changshaは、歴史文化や民俗風情、自然景観を生かした観光資源が評価され、親子旅行の予約件数が前年同期比80%以上増加した。

こうした動きの背景には、保護者の価値観の変化がある。若い世代の親たちは「子どもを遊ばせる旅行」から「子どもと一緒に学ぶ旅行」へと重視点を移しており、博物館見学や体験学習を組み込んだ旅行商品への需要が高まっている。

また、映画やドラマの舞台を巡る旅行も新たな人気を集めている。話題となった映画 How to Make Millions Before Grandma Dies の影響で潮汕文化への関心が高まり、旅行会社は映画の世界観を体験できる観光ルートを打ち出している。歴史的な邸宅や華僑文化の足跡、地域の食文化などを組み合わせた体験型ツアーが注目を集めている。

さらに近年は、親子旅行の概念そのものも広がりつつある。1990年代生まれや2000年代生まれの若者が家庭内の旅行計画を主導するケースが増え、成人した子どもが親を連れて旅行するスタイルが急速に広がっている。OTA各社の統計によると、2026年に成人した子どもが予約し、両親を伴って旅行するケースは前年同期比55%増となった。

6月の「子どもの日」連休に続き、今年は端午節と父の日が近接していることから、旅行業界では親子旅行需要がさらに拡大するとみている。専門家は、中国の親子旅行市場が従来の「子ども中心型」から、「家族全員が体験を共有し、世代間の絆を深める旅行」へと進化していると分析している。成長や学びを重視する旅行と、家族の思い出づくりを重視する旅行が、今後の市場をけん引する重要な柱となりそうだ。

(中国経済新聞)