2025上海モーターショーが閉幕 来場者数は海外も含め101万人

2025/05/4 07:30

上海の国家会議・展示センターで開催されていた第21回上海国際自動車工業展覧会(上海モーターショー)が5月2日に閉幕した。

「イノベーションを抱き未来を勝ち取る」をテーマとした今回のモーターショーは、36万平方メートル以上の会場に1366台が展示され、うち新エネルギー車が7割以上、初めて披露されたのが163台であった。来場者数は国内外合わせてのべ101万人で、うち海外からは概算で97の国や地域から計6.3万人(うちディーラーが1.2万人以上)、国内外合わせて14000人以上のメディア関係者が会場の盛況な様子を報道した。プレスデーであった4月23日、24日の2日間は、大手自動車メーカーによる記者発表会が193回、またフォーラムや関連イベントが20回近く開催された。

今回は初めて開催時期が5月連休にさしかかったことで、一段と経済効果をもたらした。また文化、観光、ビジネス関係団体とともに「特別クーポン券」も用意し、見学者数は累計のべ8万人でクーポンによる消費額が100万元以上となり、現地の景気活性化に一役買った。

今回のモーターショーは、「技術革新の促進、業界の連携推進、市場開拓の深化」というこれまで受け継いできた基本線が特に鮮明となった。主催者側で人気や発言権を平等に割り振ることで各出展社が技術革新やトレンド、市場価値をより重視するよう力のある策を講じ、技術的特徴や製品の改良、新車のトレンドに一段と多くの目が注がれ、世界Aランクのモーターショーという本質に戻った形になっている。

包含内容:相互連携を産業改革への原動力に

今回のモーターショーで自動車メーカーの幹部が特に口にした言葉は、「中国で、世界のために」であった。自動車を、開放で世界をとりこみ世界に「読み解き」をさせる中国の大切なアングルとするものである。今回は業界の仕組みといった角度で全体レイアウトをし、「高級車パビリオン」と「新興メーカーパビリオン」を設けた。車両、サプライチェーン、テクノロジー企業を集めてより深く連携させ、世界の自動車産業が今後の動向やトレンドを見渡す重要な窓口とすることが狙いである。中国がリードしている自動車の高機能化への競争は現在、車両からテクノロジーやサプライチェーンへ広まっており、このような連携の拡大は世界の自動車界を健全で持続可能なものに仕立てる上で、将来性や好機をもたらすものである。

イノベーション:「安全重視」で技術主導の外堀を築く

パワフルなイノベーションが続く中国は、世界の自動車工業に新たな成長の場を創造している。電動化や高機能化が進む自動車界は今、より深いレベルでの改革が進んでおり、産業競争は単なる製品の改良からエコロジー能力へシフトしている。今回のモーターショーでは、「完全自社開発」という中国ブランドが業界の焦点となり、テクノロジーやサプライチェーンの企業がこぞって前面に向かい、ターボ技術やギガワット級のスーパー充電車種が注目の的になり、人とマシンのやり取りで没入感が高まり、AIが本格的に自動車へ導入されるなど、着実な技術の進歩で主役の座をがっちりとキープした。これにより、モーターショーはテクノロジーという特性が鮮明になり、また中国が自動車界におけるイノベーションの発祥地となっていることを別の面から裏付けた。

協力ウィンウィン:中国の役割が塗り替えられる

最近のモーターショーは、ブランドの認知度PRや製品展示のラインナップ、あるいはブースに足を運ぶ人の数について、中国勢と外国勢の差がほぼ拮抗している。今回は、高機能化やローカライズへ提携の足取りを加速させている外国勢と、グローバル化への取り組みや本格的な海外進出をアピールした中国勢が歩み寄る形を作り、中国の市場シェアに対する重圧や競争により、海外勢の争いの力や好機が発生している。海外からの来場者数は開幕から4日目まででのべ3万人近くに達し、国際色が一段と豊かになった。10万平方メートルというテクノロジー・サプライチェーンのエリアでは、中国の産業チェーンの力強さや安定性が華々しく披露された。中国は役割が塗り替えられようとしている上、世界の自動車工業の成長を支える中心的な力として、さらなる役割を発揮する。

今後を見据えて:開放・協調と異業種共生、上海モーターショーは車にとどまらず

「国際化」から「テクノロジーリーダー」へ、「産業のわき役」から「世界の主役」へ、「世界の工場」から「イノベーション発祥地」へ。今回のモーターショーで反映された業界の改革は象徴的な意義があり、また中国自動車工業のグローバル化への節目を改めて裏付けたものである。例年と違う点は、「自動車+」、「AI+」が産業チェーンの技術統合や異業種エコロジーの塗り替えへ新たな道筋を開いたことである。世界の自動車産業が前半の「電動化」から後半の「高機能化」に移行している姿が入念に示されており、エコな製造、空飛ぶ自動車、人型ロボットなども続々と仲間入りしている。自動車は今、エネルギー、移動、データ、エンタメ文化、生活の様々な次元をつなぐモバイル端末となりつつあり、今後は単なる車という存在ではなくなる。

上海モーターショーは、40年の存続で常に確定的なグローバル化や質の高い発展へ取り組み、自動車産業の移り変わりによる不透明性に対応してきた。また40年の発展で、追随者から牽引者に代わり、自動車の躍進だけでなく、上海から中国そして世界へと向かう歩みを見つめてきた。さらに40年の進歩で、関係者の努力のもと、産業の「最高の窓口」として世界をつなぐ大きな向上を果たした。これからは常に変革し、鮮明な戦略的力量を維持し、より高い競合力や刷新力を集めて発散させ、産業発展の総合力を伝え、中国の自動車を世界へ走らせ、世界の自動車を中国へ取り入れ、世界経済の成長へ一段と重要な役割を演じるものとなる。

(中国経済新聞)