中国の5月対米輸出、34.5%減で急落、中美貿易摩擦の影響続く

2025/06/25 07:30

中国税関総署が6月18日に発表した2025年5月の統計によると、同月の中国からアメリカへの輸出は前年同月比で34.5%減少し、前月からさらに13.5ポイント下落幅が拡大した。これは、中美が5月12日に発表した《中美日内瓦経貿共同声明》によって一時的に貿易摩擦の緩和が図られたものの、輸出回復の効果はすぐには現れなかったことを示している。

聯儲証券の研究報告によれば、対米輸出の落ち込みには「運輸能力の調整に時間差がある」ことが影響している可能性があり、輸出の回復は6月以降に表れる可能性があると分析されている。

また、中国全体の輸出構造にも陰りが見られる。特に消費財輸出の不振が顕著となっている。

2025年5月の家電製品輸出は3億9000万台で前年比5.9%減少、輸出金額は82.1億ドルで同8.8%減。ただし、2025年1月~5月累計では、輸出台数は6.1%増、輸出金額は2.2%増と、一定の回復傾向は見られる。

一方、労働集約型製品の輸出は項目ごとに明暗が分かれた。

2025年5月の衣料および衣類付属品の輸出金額は前年比3%増と好調だったが、

カバン類は10%減

履物(靴類)は5.5%減

帽子類は1.1%減

家具は9.4%減

玩具は0.6%減

と、大多数の品目で前年を下回る結果となった。

輸出不振の背景には、世界経済の減速、外需の低迷、そして主要貿易相手国との摩擦の長期化があると見られている。

特にアメリカ市場においては、関税や制裁の影響だけでなく、物流や補助金政策の見直しなどが中国企業にとって障壁となっている。

今後、中美間の経済対話がどのように進展するか、また各分野での輸出がどう再構築されるかが、中国経済にとって重要な焦点となる。

(中国経済新聞)