春休みと清明節の連休が重なったことで、中国各地で観光需要が大きく高まり、いわゆる「花見経済」が活況を呈している。連休の延長により旅行期間が確保され、遠距離移動や省をまたぐ旅行が急増している。
配車サービス大手の滴滴出行によると、清明節期間中の異地(他地域)での配車需要は連休前に比べて約40%増加する見込みだ。さらに美团の旅行データでは、4月以降の旅行需要のうち省外移動が63%を占め、「省をまたぐ訪問」が一大トレンドとなっている。4月1日から6日までの全国の航空券・鉄道チケットの予約数は前年同期比で44%増加し、旅行者の年齢層では1995年以降生まれが48%と最多を占めた。
連休の長期化により旅行の行動範囲も拡大している。美団のデータによれば、今回の清明節では中長距離旅行の割合が約4割に達し、広西チワン族自治区の北海市、四川省宜賓市、江蘇省南京市などが人気の旅行先となっている。
中でも「花見」を目的とした旅行が各地で増加しており、西南部の地方都市にも観光客が集中している。貴州省畢節市では、「百里杜鵑」と呼ばれる広大なツツジの群生地を活用し、伝統衣装体験などを組み合わせた体験型観光を展開。直近1週間の入場券予約数は前年同期比で3倍以上に増加し、ホテルや民宿の予約も47%増と大きく伸びた。
また、湖北省武漢市の東湖桜花園でも来園者数が急増している。関係者によると、オンライン予約による来場者は日平均で約50%増加し、3月28日には単日で7万7000人が来園し、今季最高を記録した。清明節期間中にはさらなる来場ピークが見込まれている。
来訪者の構成を見ると、北京、上海、広州、深圳など大都市からの観光客が多いほか、河南省や湖南省など中部地域からの越境旅行者も増加している。年齢層では25歳から40歳が中心で、若年層の家族連れやカップル、漢服愛好者が主力となっている。こうした多様な消費シーンが春季の観光市場回復を後押ししている。
花見需要の拡大は地域経済にも波及している。武漢市では桜の開花期間中、ホテル予約数が前月比で50%以上増加し、地下鉄の1日当たり利用者数も500万人を突破した。

武漢東湖の桜園
さらに、春休みの影響でファミリー層の旅行需要も急増している。美団では「親子旅行」や「研学旅行」といった検索キーワードが100万回を超え、直近1週間では「成都・研学日帰りツアー」の検索数が前年同期比で3倍、「子ども向けアウトドア研学」は約2倍に増加した。4月1日から6日の期間中、南京発の親子向け民宿予約は前年同期比で10倍以上、成都発でも7倍以上の伸びを記録した。
このような「子ども連れでの春の外出」需要は、すでに大型連休であるメーデー(労働節)にも波及しており、杭州発の予約も10倍以上の伸びを示している。
春休みと清明節の相乗効果により、観光需要は量・質ともに拡大しており、「花見経済」を軸とした春季消費の活性化が一段と進んでいる。
(中国経済新聞)
