中国の工業和信息化部は4月3日、強制性国家基準「移動電源安全技術規範」(GB 47372—2026)を正式に公布した。新基準は2027年4月1日から施行され、モバイルバッテリー市場の規範化や品質向上、消費者保護の強化が期待されている。
対象となるのは、いわゆる「モバイルバッテリー」や「ポータブル電源」といった携帯型電源製品で、日常生活やアウトドア用途など幅広い場面で利用されている。中国はこれら製品の世界最大の生産国・消費国である一方、一部企業では技術水準や品質管理に課題があり、製品品質のばらつきが指摘されていた。
今回の新基準は、従来の国家基準をベースに、安全性をさらに強化した内容となっている。具体的には、高温や過充電、圧迫などの過酷条件下での安全性能を高めるほか、バッテリーへの針刺し試験を新たに導入し、発火や事故リスクの低減を図る。また、長期使用による内部劣化を検知する仕組みや、電圧・温度などをリアルタイムで監視するスマート管理機能も求められる。
さらに、製品ごとに固有の識別コードを付与し、消費者が電池のブランドなどの情報を確認できる仕組みを導入。原材料調達から製造工程に至るまで、全体の品質管理体制の強化も義務付けられる。
新基準には12カ月の移行期間が設けられており、その間は新旧いずれの基準でも製造・販売が可能だが、移行期間終了後は新基準への完全適合が必須となる。すでに強制製品認証(CCC認証)を取得している製品については、引き続き使用が認められる。
一方、航空機内への持ち込みについても規制が明確化されている。中国民用航空当局はすでに、CCC表示のない製品や表示が不明瞭な製品、リコール対象となったモデルの持ち込みを国内線で禁止している。新基準施行後も、CCC認証を取得し、現行規定を満たすモバイルバッテリーであれば機内持ち込みは可能とされる。
ただし、衝撃や圧迫、過充電など不適切な使用は安全リスクを高めるため、航空当局は問題のある製品の持ち込みを避けるよう注意を呼びかけている。
今回の基準導入により、業界全体の技術水準の底上げと市場の健全化が進むとともに、消費者にとってより安全で信頼性の高い製品環境の整備が進む見通しだ。
(中国経済新聞)
