花旗、中国で約4000人の大規模レイオフを実施 上海・大連の拠点を実質閉鎖へ

2025/06/10 22:56

米金融大手シティグループ(City Group)は6月6日、グローバル業務の簡素化を目的とした再編の一環として、中国本土にある技術支援拠点「花旗金融信息服务(中国)有限公司(City Technology Services China)」において、上海および大連のスタッフ約4000人を削減すると発表した。今回の人員削減には、約500人の外部委託スタッフも含まれており、事実上、両拠点の大部分の機能が停止される形となる。
花旗の中国における金融情報サービス子会社は、現在、上海、大連、広州の3都市に拠点を構えている。うち、上海と大連の拠点は引き続き営業登録上は「在籍」状態だが、今回の人員削減はこの2拠点に集中しており、広州拠点は対象外とされている。
花旗の中国金融情報サービス会社で4年間勤務してきた宋(ソン)さんは、突然の発表に驚きを隠せない。「朝9時までは普通にバグ修正やタスクの割り振りをしていたのに、10時の全社員ミーティングで突然解雇が告げられた。会議が終わると同時に、すべての社内システムのアクセス権限が剥奪された」と話す。
「本当に『ボスが急に別れを告げてくる』ような、ドラマのような展開だった」と彼女は語る。さらに、「私たちのチームは中国市場だけではなく、インドやヨーロッパのチームとも連携して、花旗グローバルのシステム開発を担っていた」と述べ、今回のリストラが中国国内だけにとどまらない影響を持つことを示唆した。
突然の通知に戸惑いながらも、宋さんは会社からの補償に関しては「非常に良心的だった」と話す。退職金は「N+6」という条件で、さらに3ヶ月間の有給休暇も与えられ、転職活動の準備期間として活用できるという。「冷たい決断ではあったけど、誠意のある対応だったとも思う」と彼女は語る。
今回の大規模なレイオフは、花旗グループが進めるグローバル事業の簡素化および効率化の一環とされる。2024年以降、花旗は世界中の業務において重複や非効率を削減する動きを強めており、特にテクノロジー関連部門の統廃合が進められている。
かつて、花旗にとって中国の技術センターはグローバルなIT戦略の中核を担っていた。特に大連は、多くの外資系企業がオフショア開発拠点を構える「中国のシリコンバレー」として知られていたが、今回の動きはその象徴的な時代の終焉を意味する可能性もある。

(中国経済新聞)