TSMC、赤字が年間32億元以上のアメリカで3か所目のウエハー工場建設 工程は一段と先端化

2025/05/5 11:30

台湾の半導体大手・TSMCは、年間32億元以上の赤字を計上しているアメリカでさらにウエハー工場を建設する。

TSMCの会長・CEOである魏哲家氏は新たな声明で、「アメリカのアリゾナ州で、先進的な能力を備える3か所目の工場を近日中に着工予定」と表明した。

TSMC は2024年、アリゾナ州の第1工場が生産を開始したものの、出荷による売上計上までのタイムラグの関係で、子会社のTSMC Arizona Corporationの赤字額が2023 年の109.25 億台湾元から142.98億台湾元(約32億元余り)に拡大した。

TSMCのアリゾナ工場は、アップル、エヌビディア、AMD、ブロードコム、クアルコムといった大手5社に製品を供給している。業界内では、これら納入先が生産増を進める上、第2、第3工場の稼働など現地で規模拡大による効果が生まれ、赤字が縮小するものと見られている。

TSMCによると、第1工場は去年の第4四半期には4nmプロセスで量産を開始し、第2工場は建屋の建設が完了して今は無塵室(CR)や機械など稼働装置の取り付け工事の最中であり、3nmプロセスを導入する予定という。

さらに、第3工場は2nmまたはより先進的なプロセスを導入してチップを生産する。アメリカで、最先端工程での生産により旺盛な需要に応えていくという。

(中国経済新聞)