元中国銀行共産党委員書記兼会長の劉連舸被告は11月26日、1.21億元(約25.4億円)余りの賄賂を受け、33.2億元(約696億円)を違法に融資したとして、執行猶予付きの死刑判決が言い渡された。
公開情報によると、劉被告は1961年5月吉林省永吉生まれの男性で漢族、吉林財経大学大学院で経済学を学び、上級エコノミストとなっている。1987年から20年にわたり中国銀行の関係先に勤務し、2018年に同行の頭取に就任、その1年後に「ナンバーワン」となったが、2023年に失脚した。
劉被告は2010年~2023年、中国輸出入銀行で副頭取から副会長、頭取となり、その後中国銀行の副会長、頭取、共産党委員書記、会長なども歴任した中、融資や事業の提携、人事の調整などで便宜を図り、合わせて1.21億元(約25.4億円)余りの金品を受け取っていたと指摘されたほか、2017年末から2020年初めにかけて、関連企業に対し合わせて33.2億元(約696億円)余りの違法な融資をしたことで1.907億元(約40億円)余りの元金損失を招いたという。これにより、収賄罪で死刑、違法融資で10年間の懲役刑となり、2年間の猶予付き死刑執行が宣告された上、全財産の没収処分となった。
劉被告は2023年3月31日に摘発され、むやみに融資事業に手を出し、違法な会社経営をし、資金の貸し付けに介入し、個人のクラブに出入りし、機密情報を無断で保存し、巨額の金品を受け取っていたなどと公式発表されていた。
劉被告は今回の失脚の後、自堕落な生活や態度が続々と明るみになった。「道徳の腐敗、家柄の不正」と公式発表されたが、細かい内容までは明らかにされていない。これまでの報道では、中国銀行在勤中にしばしば夜に女性の部下を執務室に招いて「語り合い」をしており、その後輸出入銀行に在勤中もこのような行為をしていたという。
中国銀行ではまたこのほか、元黒竜江省支店の共産党委員兼副頭取の陳楓氏(2023年1月2日に摘発)、元北京市支店の共産党委員書記兼頭取の王建宏氏(2023年3月15日)、元内モンゴル支店の共産党委員兼副頭取の高宗勝氏(2023年3月24日)の計3人が同じく失脚している。
(中国経済新聞)