中国の低価格通販サイト「唯品会」は2月28日、2023年の第4四半期および年間の決算を発表した。業績は安定成長を示しており、第4四半期の売上高は前年同期比9.2%増の347億元(約7225億円)で、予想を上回るものだった。また、非米国会計基準による第4四半期の純利益は32億元(約666億円)で、前年同期より43.4%も増えた。
年間ベースで見ると、売上高は前年比9.4%増の1129億元(約2.35兆円)で、株主帰属の純利益も3割増の81億元(約1686億円)であった。流通取引総額(GMV)は前年比18.7%増の2080億元(約4.33兆円)、注文数は9.8%増で、特定品の販売を得意としていることがわかる。
数字で示された好調ぶりは、事業モデルや市場の立ち位置に支えられたものでもある。通販サイトがどこも激しい競争を展開している中、唯品会は特定商品に重点を置いて、割安でお買い得な商品を提供することでかなりの固定ユーザーを確保している。じっくりと品定めをする消費者が増えていく中、唯品会は「オンラインアウトレット」という方式で、高品質でコスパのある品物により、消費者ニーズを捉えている。
また唯品会は2023年、アクティブユーザーの数も前年より3.9%増えて8740万人となった。アリババ、拼多多、京東など大手に比べればだいぶ劣るが、特定の商品で強みを持っていることが分かる。他社との提携もこうした成果をもたらした理由の一つであり、新たな店の導入やコラボレーションの展開によって、品数を一段と豊富にして独自性のある物を増やしている。
また財務管理については、マーケティング費用の削減など不要な出費を抑えることでコストを抑え、利益の安定成長を果たしている。第4四半期は運営費が前年同期比4.8%増であり、この中で注文関連の支出は17%増えたが、マーケティング費用は10.7%減で、技術・コンテンツ関連は21.5%増、一般費用や事務関連費用は11.7%減っている。
唯品会は今後の展望として、2024年第1四半期の収益は前年比0%~5%増の275億元~289億元(約5726億円~6017億円)と見込んでいる。
(中国経済新聞)