中国各地にある古い街並みは、どこもシルクやキーホルダー、手造りのアクセサリーが売られ、「地物飲食店」も通り一遍で、臭豆腐やソーセージ、蒸し菓子が並んでいる。こうしたレトロな場所はいつの間にか、いずこも同じように店も小物料理も似通ってしまい、それぞれの独自性が薄くなって、「均一率」が99%にも達している。
中国古城文化研究院の林鵬院長は以前に、「中国には建設済みもしくは建設中の古い街並みが合わせて2800か所以上あり、間違いなく世界で一番多い。しかし、その中で(専門家を除き)記憶に残っているのは8か所もないのではないか」と指摘した。これはつまり、どこもかしこも似通っていると言う意味である。ある大学教授も、古都巡りはえてしてショッピングや飲食、芝居の見物といった統一モードになっており、どこもまるで同じだと指摘している。
ネットでも「ビジネスに走りすぎ。どこも通りの両側に店が並び、地元の人は少なくてほとんどが商売をしに来た人ばかり。古都と称して実はちょっとした商品売り場に過ぎない」と揶揄している。このような街並みに見られるのは「通り一遍」のレトロな景観で、地元民からはかけ離れてしまったような場所さえ存在する。
このような現象を変えるには、観光客のニーズを見極めて、独自のプランを生み出してカスタマイズしたサービスを提供し、現地の特色ある文化を今風の消費アイデアに結び付けることが必要である。ただ建物を造るだけではダメで、地元の歴史や文化をまとめて詳しく整理した上で、特色をよく理解すれば、街並み造りも上手くいく。さらに、ビジネス化と地方文化の保護でバランスをとらなくてはならない。
(中国経済新聞)