中国神話の「八仙」を題材にしたアニメーション映画『八仙!』が7月18日、中国全国で公開された。公開初日から好調な興行成績を記録し、口コミ評価でも高い支持を集め、2026年夏休み映画の注目作品となっている。
本作は四川省映画局の支援を受けて制作された作品で、「八仙」が仙人となる前の人間時代を描く点が大きな特徴だ。草の根の生活を送る8人の主人公が、強大な敵である神仙に対し、民衆の知恵を武器に立ち向かい、困難を乗り越えた末に「八仙」として語り継がれるまでの物語を描いている。
監督・脚本を務めた牟正洋(ムー・ジョンヤン)氏は、「『八仙過海、各顕神通(八仙が海を渡れば、それぞれが持ち味を発揮する)』という言葉は広く知られているが、八仙が仙人になる以前の物語はあまり知られていない。この空白が創作の大きな可能性になった」と説明。「継承」「友情」「正しいことを貫く勇気」を作品のテーマに据え、神ではなく、観客と同じような普通の人々として八仙を描くことで、現代の観客にも共感できる神話コメディーを目指したとしている。

総監修を務めた東方夢工場(オリエンタル・ドリームワークス)の応旭珺(イン・シュージュン)社長は、作品のビジュアルについて、「東洋美学と現代アニメーション技術を融合させた」と説明。蓬莱仙山や巨鼇(きょごう)が島を背負う伝説、雲海に浮かぶ仙境など、中国神話の世界観を再現したほか、青緑山水画や漢代壁画、伝統的な年画や民俗画などから着想を得て、中国らしい映像美を表現したという。
キャラクターデザインも八仙の伝統的な姿や古典説話を踏襲し、中国文化の魅力を随所に取り入れている。
制作拠点となった四川省成都市ハイテク産業開発区は、中国のデジタルコンテンツ産業の集積地として知られ、『哪吒(ナタ)』シリーズを生み出した地域でもある。現在、デジタル文化・クリエイティブ関連企業6,000社以上が集積している。
作品は公開直後から高い評価を獲得しており、中国の映画レビューサイト「豆瓣(Douban)」では8.3点を記録し、2026年夏休み公開作品で最高評価となった。また、「猫眼(Maoyan)」では9.7点、「淘票票(Taopiaopiao)」では9.6点を獲得。公開初日の先行上映を含む累計興行収入は1億2,700万元を突破し、上映シェアも当初の22%から25%へと拡大した。
映画監督の郭帆(グオ・ファン)氏は鑑賞後、「非常に素晴らしい作品で、映画館を出た後もしばらく鳥肌が立っていた」とコメント。歴史学者の易中天(イー・ジョンティエン)氏も作品を推薦する文章を発表するなど、映画関係者や文化人からも高い評価を受けている。
(中国経済新聞)
