中国の航空会社によるエアバス機の大量発注が相次いでいる。7月17日には、中国国際航空(エアチャイナ)と海南航空ホールディングス(HNAホールディングス)が、それぞれエアバスとの航空機購入契約を発表した。これにより、中国の航空各社が過去約7か月間に発注したエアバス機は計476機に達した。
中国国際航空はA350-900型機15機を導入するほか、傘下の深圳航空がA320neoシリーズ40機を購入する。カタログ価格ベースの契約総額は約124億4,000万ドルとなる。
一方、海南航空ホールディングスもA320neoシリーズ40機を導入する計画で、契約総額は53億6,000万ドル以下としている。
中国航空各社による大型発注は今年に入って相次いでいる。6月には中国東方航空(チャイナ・イースタン航空)がA330neoを25機購入する契約を締結し、契約額は約93億5,000万ドルだった。4月には中国南方航空(チャイナ・サザン航空)がA320neoシリーズ102機、子会社の厦門航空が35機をそれぞれ発注した。

さらに2025年末には、春秋航空が30機、吉祥航空が25機のA320neoシリーズを発注。その後、中国国際航空がA320neoシリーズ60機、華夏航空がA320シリーズ3機、中国東方航空がA320neoシリーズ101機を追加発注している。
これらを合わせると、中国の航空会社によるエアバス機の新規発注は476機となり、すべてエアバス製機材となった。
近年、中国市場におけるエアバスの存在感は一段と高まっている。2025年には中国市場でのシェアが55%となり、ボーイングを上回ったほか、中国は複数年にわたりエアバスにとって世界最大の単一市場となっている。
需要拡大を受け、エアバスは天津工場でA320シリーズ第2最終組立ラインを稼働させ、生産能力を強化している。2027年までにA320シリーズの月産75機体制の実現を目指している。
一方で、中国の大手航空会社3社は先ごろ発表した2026年上半期の業績見通しで、第2四半期だけで合計100億元を超える赤字を計上し、第1四半期の利益をほぼ相殺したことが明らかになった。
こうした厳しい業績にもかかわらず大型発注を続ける背景について、複数の航空会社関係者は「将来の需要拡大を見据え、機材の納入枠(スロット)を早期に確保することが目的」と説明している。
今回発注された航空機の納入時期は2028年から2032年に設定されている。中国国際航空のA350-900は2030~2032年、深圳航空のA320neoは2029~2032年、海南航空のA320neoは2028~2032年にかけて順次引き渡される予定だ。
航空機需要の拡大を背景に、エアバス、ボーイングともに主力機種の受注残は高水準にある。世界第2位の航空機リース会社アボロン(Avolon)は2024年、「ボーイング737 MAXやエアバスA320neoなど主力ナローボディ機は2030年分までほぼ完売している」との見通しを示している。
一方で、航空機メーカー各社は部品供給の制約にも直面している。
エアバスは2026年第1四半期決算で、民間航空機部門の売上高が前年同期比11%減の84億ユーロとなったと発表した。納入機数の減少やドル安が主な要因としている。
エアバスの**ギヨーム・フォーリー(Guillaume Faury)**CEOは、「民間機事業では生産能力の拡大を計画通り進めているが、プラット・アンド・ホイットニー製エンジンの供給不足が課題となっている」と述べ、A320シリーズの生産拡大はエンジン供給体制に左右されるとの認識を示した。
中国南方航空の経営陣も、航空機の納入遅延は2028年ごろまで続く可能性があるとの見方を示しており、中国製旅客機の生産能力拡大や地政学リスク、原油価格の変動などが今後の課題になるとしている。
中国国産旅客機C919についても生産能力の拡大が進められているが、現時点では大量納入には至っていない。中国商用飛機(COMAC)は、2029年までに年間200機の生産体制を目指す方針を掲げている。
(中国経済新聞)
