中国のインバウンド需要が引き続き拡大している。2026年の夏休みシーズンを迎え、各国から中国を訪れる外国人旅行者が増加しており、特にギリシャからの訪中客は前年同期比約10倍と大幅に伸びている。
中国国家移民管理局が発表したデータによると、2026年上半期(1~6月)の外国人入国者数は2,291万4,000人で、前年同期比20.4%増となった。このうち、ビザ免除措置を利用した入国者は1,781万5,000人で、前年同期比30.6%増となり、インバウンド需要をけん引している。
現在は年間でも訪中旅行のピークとなる夏季シーズンに当たり、中国の旅行予約サイト「去哪児旅行(Qunar)」によると、主要な訪中客の出発国・地域は、タイ、カナダ、米国、英国、ロシア、カザフスタン、オーストラリア、モンゴル、スイスなどとなっている。
中でも、ギリシャからの訪中客は前年同期比9.5倍と最も高い伸びを記録した。このほか、スリランカ、モンゴル、スウェーデン、フィンランド、メキシコからの旅行者も2倍以上増加している。
SNSでは、中国旅行を体験した外国人による投稿も相次いでいる。
フランス人インフルエンサーは、中国ではホテルや商業施設など至る所に空調設備が整っていることを紹介し、「ホテルは涼しく、セーターが必要なくらいだった」と驚きを語った。欧州では近年の猛暑が続く一方、空調設備の普及率が比較的低いことから、中国で快適に過ごせたという感想が注目を集めている。

また、英国人旅行者は大型商業施設の充実ぶりや地下鉄運賃の安さを評価し、セルビア人旅行者は電動自転車を施錠せずに置いていても盗難されにくい点など、中国の治安の良さに驚いたという。
海外のSNSでは、「夜でも安心して外出できる」「フードデリバリーが便利」「本場の中華料理は海外の中華料理とは大きく異なる」「英語を話す人は多くないが、主要施設には英語表示が整備されている」といった感想も多く投稿されている。
人気の旅行先では、上海、北京、広州、成都、深圳、青島、瀋陽、厦門、福州、昆明が上位を占める一方、重慶、ハルビン、杭州、大連、ウルムチ、南京、長春、海口、西安、武漢にも多くの外国人旅行者が訪れる見通しだ。
さらに、観光だけでなく中国文化を体験する旅行も人気を集めている。山西省大同市の雲岡石窟や甘粛省敦煌市のシルクロード文化、吉林省延吉市の民族文化などを目的とした旅行需要が拡大しており、これらの都市への国際線利用者数も大幅に増加した。
Qunarによると、夏季期間中の外国人旅行者数は、新疆ウイグル自治区イーニン市とチベット自治区ニンティ市(林芝市)向けが前年同期比6.3倍となったほか、徐州市、宜昌市向けは5倍以上に増加した。また、大同市、義烏市、佳木斯市、南昌市、桂林市、大理市、敦煌市への外国人旅行者も前年同期から倍増している。
ビザ免除措置の拡充や交通アクセスの改善を背景に、中国各地でインバウンド需要が広がりを見せており、従来の大都市だけでなく地方都市や文化・自然資源を生かした観光地にも外国人旅行者が増加している。
(中国経済新聞)
