北京の老街に若者殺到 伝統工芸体験が夏の新たな人気スポットに

2026/07/7 18:00

夏休みシーズンの到来に合わせ、北京市内の胡同(フートン)や観光地、人気スポット周辺にある伝統文化をテーマにした体験型ショップが注目を集めている。なかでも、古法による手漉き紙や線香作り、篆刻(てんこく)などの伝統工芸を体験できる店舗が、若者や観光客の人気を集め、夏の文化観光消費の新たな魅力となっている。

中国中央テレビ(CCTV)によると、北京市内のある古法手漉き紙専門店は、SNSで話題となり、多くの来店客が訪れている。同店では、中国各地から集めた650種類以上の伝統手漉き紙を取り扱い、紙本来の用途にとどまらず、照明、工芸品、アート作品、マグネットなど、現代のライフスタイルに合わせた文創(文化クリエーティブ)商品へと展開している。特に、手漉き紙を使った紙灯籠は、灯りをともすことで独特の風合いと芸術性を楽しめる商品として人気を集めている。

一方、伝統工芸を実際に体験できる没入型ワークショップも人気が高まっている。北京市西城区の胡同にある香づくり工房では、30種類以上の香りのレシピから好みの配合を選び、香木や天然素材を調合しながら、昔ながらの製香技術を体験できる。参加者は香料をすりつぶし、練り合わせる工程を通じて、伝統文化に触れることができる。

同じ胡同にある篆刻体験工房も多くの来場者で賑わっている。来店者は石材選びから書体の決定、下書き、彫刻までを自ら行い、約1~2時間かけて世界に一つだけのオリジナル印章を制作することができる。

さらに、北京市内で開催されるクラフトマーケットでは、版画を使ったマグネットや木彫りの香立てなど、中国の伝統技法を取り入れた手作り作品が数多く並び、来場者の関心を集めている。

近年は若いクリエーターの参加も増え、独自ブランドを立ち上げてオンライン販売と対面イベントを組み合わせた事業を展開するケースが目立つ。オーダーメード商品の受注やチームによる工房運営へと発展する例も増えており、伝統工芸の継承と新たな産業化を後押ししている。

伝統文化と現代的なデザイン、体験型コンテンツを融合した新たな文化消費の形が、北京の夏季観光市場に新たな活気をもたらしている。

(中国経済新聞)