中国の薬局業界で「閉店ラッシュ」続く 1年間で2万2000店減

2026/05/8 11:30

中国の薬局業界で続く「閉店ラッシュ」が止まらない。業界データによると、2025年に全国の薬局数は純減で2万2000店に達した。2024年第4四半期から始まった業界再編は現在も続いており、中小薬局の淘汰が加速する一方、大手チェーン薬局では収益改善の動きが目立っている。

業界調査会社・中康のデータによれば、2025年第4四半期末時点の全国の薬局総数は68万400店。2024年第4四半期に減少局面へ転じて以降、累計で約2万6000店が市場から姿を消した。

閉店の中心となっているのは、中小チェーン薬局や個人経営の薬局だ。2024年第4四半期から2025年第3四半期までに減少した約2万店のうち、上位30社以外の中小チェーンと単独店舗が84.5%を占めた。業界では、コンプライアンス対応力や専門サービス能力の弱い事業者が厳しい経営環境に直面している。

かつて薬局業界では、「店舗数を増やせば利益も増える」という拡大路線が成長の原動力だった。しかし現在、その“黄金法則”は通用しなくなっている。

A株上場のチェーン薬局企業を見ると、2025年には半数の企業で店舗数が純減となった。老百姓大薬房は302店、一心堂は386店をそれぞれ閉鎖している。

一方で、大手チェーン各社の業績には回復の兆しも見え始めている。A株上場のチェーン薬局8社のうち、2025年に純利益が前年同期比で増加した企業は6社に上った。前年の2024年には、6社で純利益が減少していたことと比べると、状況は改善している。

2026年第1四半期には、純利益が前年同期を下回ったのは漱玉平民のみで、減少率は59.58%だった。

各社は現在、新規出店よりも既存店舗の効率改善に重点を置いている。

一心堂は2025年および2026年第1四半期において、売上高が減少する一方で純利益は増加した。2025年の売上高は前年比3.69%減、2026年第1四半期は6.99%減だったが、純利益はそれぞれ130.8%増、9.83%増となった。

同社は4月29日の電話会議で、「小売事業の安定成長、粗利益率の改善、不採算事業の整理、コスト管理の強化」が利益改善につながったと説明している。

益豊薬房でも、2025年と2026年第1四半期の純利益成長率が売上高成長率を上回った。同社は、店舗網の最適化や人員配置の見直し、コスト削減などを進めた結果、業績成長を維持できたとしている。

人工知能(AI)を活用した効率化も進む。大参林はAIアルゴリズムを用いた店舗・倉庫向け自動補充システムを導入し、全国の大半の店舗で運用を開始した。その結果、欠品率を50%削減し、在庫回転効率も向上。2025年の在庫回転日数は83.54日まで短縮された。

ただ、業界全体では閉店の流れはなお続く見通しだ。中康は、今後3~5年で全国の薬局数が50万店を下回る可能性があると予測している。市場の統合が進むことで、1店舗あたりのサービス対象人口は増加し、大手チェーン薬局の市場シェア拡大や来店客数の増加につながるとみられている。

こうした中、各社は出店戦略の見直しも進めている。一心堂は、大規模な直営店拡大を行わず、地域配置の最適化や不採算店の整理、既存店の効率向上に注力する方針を示した。

老百姓大薬房は、優位性のある地域で加盟店事業を拡大し、地方都市や農村部など低コスト市場への進出を強化する方針を打ち出している。また、中小チェーン薬局との提携や小規模な買収も進める計画だ。

漱玉平民は、多機能型店舗への改装を進めており、改装後の店舗では売上高や利益率が大きく改善したとしている。今後も改装を継続し、新たな収益源として育成する考えだ。

2026年の業績見通しについて、老百姓大薬房は「慎重ながらも楽観的」との見方を示している。商品構成の改善や慢性疾患向けサービスの強化などを通じて、安定成長を目指す方針だ。

一心堂も、2024年には業界低迷の影響を受けたものの、2025年に収益が大きく回復し、2026年第1四半期にはさらに改善したと説明。今後は、高利益率商品の販売拡大、経費削減、省外市場の収益改善を通じて、利益率向上を目指すとしている。

(中国経済新聞)