「520」婚姻届ラッシュ 各地で予約満杯、婚姻×観光の新潮流も

2026/05/7 08:30

「520(ウーアーリン)」――中国語で「我愛你(愛している)」と同じ発音に近いことから、若者の間で“愛の告白の日”として定着しているこの日が、今年も結婚登記のピークを迎えている。各地で婚姻届の予約が相次いで埋まり、人気の高さが改めて浮き彫りとなった。

メディアの報道によると、5月6日に広東省の婚姻登記オンライン予約システムを確認したところ、5月20日当日は広州や珠海ですでに予約がすべて埋まっていた。

江蘇省でも同様の傾向が見られる。現地メディアの4月25日の報道によると、南京市ではすでに1400組以上が予約しており、玄武区だけでも400組を超えた。観光地内に設けられた特色ある婚姻登記所――金陵ロマンティックセンター、夫子廟、鼓楼公園などはすでに満員となり、一部では翌21日分の予約も埋まっている。

無錫市でも4月30日時点で複数の登記所のオンライン予約が満杯となった。ただし民政部門は、オンライン予約が終了していても当日の窓口受付で手続きが可能だとしている。

四川省成都市では、5月20日に向けて全市で約3100件の予約枠を開放し、4月27日時点で2522件が埋まり、予約率は81%を超えた。ハイテク区、錦江区、天府新区など人気エリアではすでに満員となった登記所もある。

近年、中国では適齢婚育の推進とともに、婚姻関連サービスの利便性向上が進んでいる。2025年5月10日に施行された改正「婚姻登記条例」により、地域制限が撤廃され、戸籍簿の提示も不要となった。これにより、全国どこでも婚姻届が提出できるようになり、「旅行先で結婚する」という新たなスタイルも広がっている。

こうした流れを背景に、各地では「婚姻登記+観光」を融合させた新たな取り組みが進む。成都市では2026年5月1日、「蓉城囍事・美好生活伴启航」と題したサービス消費ブランドイベントが開催され、登記、セレモニー、消費を一体化した新しい婚礼体験の提供が打ち出された。

青島市でも「海誓山盟・ロマンチック青島」をブランドに掲げ、婚姻登記と観光資源を組み合わせた施策を推進。安娜別墅や「雲上海天」展望施設、郵輪母港、祥茂河公園、即墨古城など計11カ所の特色ある登記スポットを整備し、多様なロケーションでの“思い出に残る婚姻届”を演出している。

さらに、一部地域では結婚奨励策も導入されている。山西省呂梁市では2025年1月から、初婚で女性が35歳以下の夫婦に対し1500元の奨励金を支給。広州市や東莞市の一部地域でも同様の支援策が打ち出されている。また、浙江省の杭州や寧波では新婚夫婦に向けた消費クーポンの配布も行われている。

農村部でも独自の取り組みが見られる。今年4月、河南省駐馬店市のある村では、未婚の若者の結婚を後押しするため、縁談を成立させた紹介者に1000元を支給する「お見合い奨励制度」を導入した。物質的な報酬だけでなく、良縁を結ぶことへの感謝の意も込められているという。

「520」に象徴される結婚ブームの裏側では、制度改革と地域振興策が結びつき、「婚姻」という個人のライフイベントが、消費や観光と連動する新たな社会現象へと発展しつつある。

(中国経済新聞)