中国の光ファイバー業界が今年に入り、需要拡大を背景に「数量・価格ともに上昇する」好調な局面を迎えている。中国中央テレビ(CCTV)系の経済メディアによると、生産・販売の増加に加え、製品価格も大幅に上昇している。
江蘇省のある光ファイバー製造企業では、今年第1四半期の生産・販売量が前年同期比で35%以上増加し、海外向け販売は55%を超える伸びを記録した。輸出先は主に北米や東南アジアで、現在の受注は十分に確保されており、生産計画はすでに来年第1四半期まで埋まっているという。
同じく江蘇省の別の企業でも、第1四半期の生産・販売量が前年同期比で約5倍に拡大したとされ、需要の急増が業界全体に広がっていることがうかがえる。
価格面でも大きな変動が見られる。関係者によると、光ファイバーの一種であるG.657.A2の価格は、前年の1芯キロメートル当たり32元(約700円)から、今年は240元(約5,200円)へと上昇し、上昇率は約650%に達した。
光ファイバー価格が足元で急騰している。今回の値上がりは特定規格に限られた局所的な動きではなく、全品目・全チャネルに及ぶ全面的な上昇となっている。
調査会社CRUのデータによれば、通信分野で最も広く使われるG.652.D単モード光ファイバーの市場平均価格は、2025年末には1芯キロメートル当たり20元未満(約420円未満)だったが、2026年4月には85~120元(約1,800~2,500円)にまで上昇した。わずか数カ月で4倍超の急騰となる。
通信事業者の集中調達においても、価格上昇は同様の傾向を示している。広東電信が調達する「GYTA・単モードG.652D・24芯」光ケーブルの上限価格は、1月時点の1皮長キロメートル当たり1,245元(約26,000円)から、3月には2,500元(約52,000円)へと引き上げられ、上昇率は100%を超えた。
需要の急拡大を受け、関連企業は相次いで増産体制の強化に動いている。亨通光電では、AI向け先進光ファイバー材料の研究開発・製造センター(第1期拡張プロジェクト)の工場建設が完了し、現在は設備導入段階に入っている。
また、遠東股份は2026年までにG.657A1/A2光ファイバー用プリフォームおよび光ファイバー引き伸ばし工程の第2期拡張を完了する計画で、これによりプリフォームの総生産能力は年間800トン、光ファイバーの引き伸ばし能力は年間2,600万芯キロメートルに達する見通しだ。
価格の急騰と供給拡大の動きが同時に進む中、光通信インフラを支える基幹素材としての光ファイバー市場は、需給の逼迫を背景に新たな局面を迎えている。
(中国経済新聞
