広交会でドローン技術が注目 低空経済の実用化が加速

2026/04/19 08:00

4月15日開幕の第139回中国輸出入商品交易会(広交会)では、低空経済分野における技術革新が大きな注目を集めている。開幕初日の夕方、広州市の海心沙上空では数百機のドローンによるライトショーが行われ、「第139回広交会へようこそ」「広東製品、世界へ」「低空経済の新たな未来」などの文字や図形が夜空に描かれた。珠江沿岸の夜景と相まって、低空経済が政策段階から実用段階へと急速に進んでいることを印象づけた。

今回の広交会では、民生用ドローンや農業用ドローン、スマートウェアラブルなど9つの新設分野が初めて設けられた。なかでもドローン展示エリアは大きな関心を集め、24社が出展し、そのうち約3割を広東省の企業が占めた。特に地元・広州企業の存在感が際立っている。

会場では、珠海や広州、汕頭、蘇州などの企業による飛行デモンストレーションが行われた。空中での曲芸飛行のほか、照明装置や拡声器を搭載して災害対応時の指揮を再現する機体、複数の水袋を投下して消火活動を模擬する機体などが披露された。高さ約10メートルで長時間滞空する係留型照明ドローンは、広場一帯を明るく照らし出し、実用性の高さを示した。

広州の成至智能機器科技は、フレネルレンズを用いた照明装置や高出力スピーカー、400ボルトの高圧電源システムをドローンに組み込んだ製品を展示した。同社副総裁の張凱氏は、こうした技術によりドローンが「空飛ぶカメラ」から「任務を遂行する空中ロボット」へと進化したと説明する。同社はもともとドローンメーカーの販売代理から出発し、2018年に自社ブランドへ転換。現在では国の認定を受けた専精特新の重点中小企業として、製品を50以上の国・地域に展開している。

同社が出展した係留型照明ドローン「CZ10」は、機体重量3.5キログラムと軽量ながら、約10メートルの高さで長時間滞空し、バスケットボールコート相当の範囲を照らすことが可能だ。スマートフォンのアプリで高度や位置、光の色や明るさを調整できる。すでに欧米市場を中心に数百台が販売されているという。

また、広州の新興企業である晔生航空は、電動垂直離着陸機の新製品「WingShip Pro」と水陸両用モデル「WingCool」を初公開した。来場者からは「空飛ぶスポーツカー」とも呼ばれ、開幕初日だけで100機以上、総額600万ドルを超える受注意向を獲得した。同社は設立間もない企業ながら、製品の95%以上を国産化し、部品供給の大半を珠江デルタ地域で調達している。受注から納品までおよそ1カ月という短納期も強みだ。

海外からの来場者の関心も高い。スーダンのバイヤーは水陸両用機を体験し、「インフラが十分でない地域でも活用できる」と評価した。オランダの来場者も「これが未来だ」と語るなど、実用性と将来性への期待が示された。

会場外では、ドローン配送と人型ロボットを組み合わせたサービスも披露された。注文から約5分で商品が届く一連の流れは、来場者に「低空経済と即時配送」の新たな可能性を実感させた。

今回の広交会では、広州交易団として875社が出展し、総ブース数は2700を超えた。民間企業が800社以上を占め、輸出入ビジネスの主力となっている。新たな成長分野を担う企業の割合は50%を超え、過去最高を更新した。

ドローン分野では、機体から搭載機器、民生用途から産業用途まで幅広い技術が展示され、広州企業を中心に技術革新が進んでいる様子がうかがえる。広交会は単なる商品展示の場から、実際の利用場面を体験できる場へと進化しており、低空経済の発展を象徴する舞台となっている。

(中国経済新聞)