フランス、文化財返還法案を可決 中国流出文物の返還に進展なるか

2026/04/18 09:45

フランス国民議会は4月13日、違法に取得された文化財の返還に関する法案を全会一致で可決した。今後、上院での再審議を経て、大統領の署名・公布により正式に成立する見通しだ。

審議の過程では、作家ヴィクトル・ユーゴーの言葉が引き合いに出された。ユーゴーはかつて、円明園から略奪された財宝は中国に返還されるべきだと指摘しており、今回の法案可決はその理念に一歩近づく動きとして言及された。

今回の法案は、フランスの現行制度における「公共財産は原則として譲渡不可」とする規定の適用範囲を見直すものだ。従来は、国有文化財を外国へ返還するためには、個別案件ごとに立法措置を講じる必要があり、手続きの複雑さが課題とされてきた。

段勇(上海大学党委副書記・中国海外文化財研究センター主任)によると、これまでの制度では議会での審議過程において与野党間の合意形成が難しく、結果として返還が進まないケースが多かったという。このため、制度そのものが文化財返還の障壁となる側面もあったと指摘する。

段氏はまた、フランスにある中国由来の文化財のうち、特に円明園から流出したものについて、今回の法案の適用対象となる可能性があるとの見方を示す。法案は1815年から1972年の期間に取得された文化財を対象とし、軍事的用途を持たない戦利品については返還の対象とすることを明記しているためだ。

一方で、中国の海外流出文化財の返還には依然として課題が多い。流出は長期にわたり、主に中華人民共和国成立以前と、20世紀後半から21世紀初頭にかけての二つの時期に集中しているとされる。流出経路も略奪、非正規取引、低価格での取得など多様であり、個別事案ごとの精査が不可欠とされる。

段氏は「海外にある中国由来の文化財は、公的・私的コレクションを含めて数が多く、種類や質も多様だ。返還を進めるには、それぞれの来歴や取得経緯を丁寧に分析する必要がある」と述べ、今後の対応には慎重かつ継続的な取り組みが求められるとの認識を示した。