中国の著名経済学者で元重慶市長の黄奇帆氏が、最近の講演で大胆な見解を発表した。「今後3年以内に、世界で生産される半導体チップの50%を中国が製造するようになる」――この予測は、国際的な半導体産業に大きな衝撃を与えている。
黄奇帆氏は、中国製造業の現在の強みを基にこの結論を導き出した。中国はすでに世界製造業の約3分の1を占め、高速鉄道、新エネルギー自動車、電力設備、造船などの分野では世界生産量の50%以上を握っている。半導体分野も例外ではなく、国家戦略「中国製造2025」の目標がほぼ達成され、「新質生産力」の推進により、チップ製造の基盤が急速に強化されていると指摘する。
背景には、国家レベルの巨額投資がある。中国は米国による先端技術輸出規制を受けながらも、中芯国際(SMIC)や華為技術(Huawei)などの企業が7nmプロセスをはじめとする先進ノードの量産に成功。生産能力は毎年数十%増加しており、成熟チップからAI向け高性能チップまで、幅広いラインアップを揃えつつある。黄氏は「3年後には、グローバルサプライチェーンの半分が中国製になるのは必然」と強調する。
この予測が現実となれば、世界経済に深刻な影響を及ぼすだろう。第一に、チップ価格の大幅低下が予想される。現在、半導体不足で苦しむ自動車、スマートフォン、データセンター業界ではコストが急減し、AI普及がさらに加速する可能性が高い。第二に、地政学的リスクの再編が起きる。台湾TSMC、韓国サムスン電子、米インテルなどのシェアが相対的に縮小し、サプライチェーンが「中国中心」にシフトする。米国はこれを「国家安全保障上の脅威」とみなすかもしれないが、黄氏は「中国の製造力はすでに世界をリードしており、協力こそがウィンウィン」と主張する。
もちろん、課題も少なくない。先端露光装置(EUV)の独占供給や、高純度シリコンウェハーなどの材料依存が残る。また、国際的な品質認証や信頼性で欧米企業に追いつくには、さらなる技術革新が必要だ。黄氏自身も「完全自立まではまだ道半ばだが、勢いは止まらない」と現実を直視している。
黄奇帆氏のこの発言は、中国経済の自信の表れであり、同時に世界へのメッセージでもある。今後3年、中国半導体産業がどれだけ世界を驚かせるか、注目が集まっている。グローバル企業は、すでに中国市場と中国サプライヤーとの連携を強化する動きを加速させており、半導体産業の「中国時代」が本格的に到来しようとしている。
(中国経済新聞)
